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建設工事請負契約とは?概要や知っておきたいポイントをシンプルに説明!

建築コラム

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建設工事請負契約とは?

建設工事に着手する前に、請負人と注文者が請負契約を結ぶこと。
この建設工事請負契約が、実は法で定められた「義務」であるということをご存じですか?

建設工事請負契約は、どんな小さな工事の場合でも必ず取り交わす必要があります。

この記事では、建設工事請負契約の概要や、契約を作成しない場合に起こることを、どこよりも分かりやすく説明していきます。
さらに、工事請負契約の作成にあたって知っておきたい情報や作成パターンについてもご紹介!
ぜひ最後までご一読いただき、工事を請け負って契約を結ぶ際に参考にしてください。

建設工事請負契約とは?

まずは、建設工事請負契約の基本的な情報についてお伝えします。

建設工事請負契約の定義

建設工事請負契約とは、請負人(受託者)と注文者(委託者)の間で取り交わされる、建設工事についての契約です。

建設工事請負契約において、請負人は何らかの建設工事を完成させることを約束します。
一方で注文者が約束するのは、その建設工事の施工の対価として報酬を支払うことです。

戸建て住宅の新築やビルのリフォームなど、あらゆる工事が契約の対象となります。

関連記事:建設請負契約│その契約は適法?国交省ガイドラインに基づいた適法性チェックポイント一覧

建設工事請負契約の作成は「義務」

建設工事請負契約を交わすことは、法的に義務づけられています。

ここで、建設工事の請負契約の原則を定めている建設業法第18条と第19条の抜粋を見てみましょう。

【第18条】
建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない。

【第19条】
契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

引用:建設業法|e-Gov法令検索

上記の通り、建設工事の請負人と注文者は、対等な立場で契約を交わす必要があります。

建設工事請負契約を作成しないとどうなる?

もし建設工事の着工前に請負契約を結ばない場合には、どのような事態になるのでしょうか。
請負契約を取り交わさなかった場合の、大きな2つのリスクを紹介します。

業務そのものが危ぶまれる恐れ

建設工事を着工する前に請負契約を締結しなかった場合、請負人は自らの業務そのものが危ぶまれる可能性があります。

建設工事請負契約を結ばないことは、建設業法違反です。
さらに、法に反するがゆえに行政処分の対象となってしまいます。

請負契約を取り交わさない場合の行政処分は、以下の3段階です。

1. 業務改善命令
2. 1年以内の営業停止処分
3. 建設業許可の取り消し

いずれも手痛い処分ですが、取り分け3段階目の「建設業許可の取り消し」は、建設の仕事を続けられなくなる厳しい処分です。

建設工事の請負契約を数回取り交わし忘れただけであれば、「建設業許可の取り消し」の処分が下される可能性はそこまで高くはありません。
ただし、法に違反した内容や常習化しているケースによっては、重大な処分を覚悟する必要があります。

トラブルに発展する可能性

建設工事でやり取りされる金額はとても大きく、また工事にかかる期間は非常に長いです。
そのため、建設工事請負契約を締結しない場合には、請負人と注文者の間で認識の違いなどが生じ、トラブルに発展する可能性があります。

請負契約によって、工事の内容や報酬についてあらかじめ詳細に取り決めておけば、トラブルの発生を防げます。

「言ったはずだ」「いいや、言わなかった」
口約束だけでは起きてしまいがちな論争を防ぐために、取り交わした内容を明確に記載した請負契約の締結は欠かせません。

関連記事:建築請負契約│建設業者が工事を受注する際にチェックすべきポイント

建設工事請負契約について知っておきたい3つのポイント

ここでは、建設工事の請負人がぜひ知っておくべき、請負契約の3つのポイントをお伝えします。

ポイント1. 大規模な工事でなくても請負契約は必要

建設工事請負契約は、工事の規模の大きさにかかわらず、すべての工事で取り交わさなければなりません。

「小さな工事だから請負契約は必要ない」と誤解されることも多いですが、請負契約において工事の規模は問いません。
あらゆる工事で請負契約の締結を忘れないように注意しましょう。

ポイント2. 建設業の許可を取っていなくても請負契約は必要

「請負契約は、建設業の許可を取っている業者だけに必要なもの」と認識されているケースがありますが、これは誤解です。

建設業許可の有無にかかわらず、どんな工事でも請負の契約は取り交わしましょう。

ポイント3. テンプレートを使う場合は内容を隅々までチェック!

建設工事請負契約の作成パターンについては後述しますが、もしテンプレートを用いて契約書を作る場合には注意が必要です。

テンプレートは一般的なケースを想定して作られています。
そのため、必ずしも全ての工事に適した内容であるとは限りません。

テンプレートを使う場合には、内容が該当の工事に合っているかどうかをよくチェックしながら請負契約を作りましょう。

建設工事請負契約の作成パターン3つ

建設工事請負契約を作成するときには、以下の3パターンから自社に合った方法を選ぶのがおすすめです。

パターン1. 自分で1から作成

建設工事の請負契約は、エクセルやGoogleスプレッドシート、ワードやGoogleドキュメントを使って、自分で作成できます。

必要な項目を盛り込み、文面を自ら考えながら作成するため、自社や該当工事に最適な契約書を作ることが可能です。

関連記事:【必須】まだ使ってないなんて時代遅れ!建設業でも使えるITツールをご紹介!

パターン2. テンプレートを利用

自分で作成するのがわずらわしい場合には、テンプレートを使って請負契約を作ることができます。

情報が豊富な昨今では、Web上に多くの建設工事請負契約書テンプレートが公開されており、無料でダウンロードできるものも少なくありません。

国土交通省の地方整備局で公開されているテンプレートもあるため、必要があれば活用しましょう。

参考:工事請負契約書|国土交通省 九州地方整備局

パターン3. 専門家に外注

とにかく楽に、なおかつしっかりと請負契約書を作りたい場合には、弁護士などに作成を依頼するというパターンもあります。

もちろん費用はかかりますが、ミスなく確実に請負契約書を作ってもらえるという安心感を得ることができます。

あとがき

建設工事請負契約は、請負人と注文者の間で取り交わされる、工事の内容や報酬などについての約束事です。
工事の規模や建設業許可の有無にかかわらず、あらゆる工事の着工前には、請負契約を締結しなければなりません。

請負契約を作成する方法には、自分で作るほか、テンプレートの活用や外注などの便利な手段があります。

うっかり締結を忘れて建設業法違反になってしまうことのないように、建設工事請負契約を必ず作成しましょう。

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