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建設現場でのタブレット活用方法8選!選ぶポイントや注意点もご紹介!

建築コラム

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建設現場でタブレットを活用

「建設現場での業務にタブレットを取り入れてみたいけれど、活用の仕方が分からない」という方は少なくありません。
今回は、具体的なタブレット活用方法や選び方のポイント、使用時に注意したい点を詳しく解説します。

建設現場でのタブレット活用方法をご紹介

建設現場でタブレットを活用する方法は非常に多種多様です。
タブレット導入を検討する際には、活用シーンを具体的にイメージしておくことをおすすめします。
ここでは、建設現場におけるタブレットの活用方法を8つご紹介します。

1. コミュニケーション

現場では、職人だけでは判断するのが難しい事態が毎日のように生じます。
判断しにくい事態が発生した場合は、その都度責任者に現場を確認してもらうのが一般的です。
しかし、規模の広い現場では、責任者が現場確認するたびに移動時間が増えてしまいます。

責任者は電話で指示することもできますが、状況を正確に把握していない場合、施工ミスにつながる恐れもあります。

電話での指示よりもおすすめなのが、タブレットの活用です。

タブレットにはカメラと通話の両方の機能が搭載されているため、離れた現場の状況を把握しながら作業の指示を出せます
責任者は移動に時間を割くことが少なくなるでしょう。

2. インターネットでの情報収集

インターネット環境がある場合、タブレットの見やすい画面で情報を収集できます。

具体的には、インターネットを介し、クラウドから図面や資料、計画表といった情報の入手が可能です。
現場事務所や出先から、正確な情報にもとづく指示や報告ができれば、業務がはかどります

関連記事:建設業のクラウド化は業務を劇的に変える!押さえるべきポイントとは?

3. 工事写真の撮影

タブレットを使えば、荷物としてかさばるデジタルカメラがなくても工事写真の撮影が可能です。

タブレットに搭載されているカメラ機能と、工事黒板用の専用アプリを組みあわせ、電子黒板の入った写真を撮影できます。
日光の反射で黒板が見えにくくなったり、風にあおられることもないでしょう。

工事写真を撮影する労力を減らし、時間も節約できます。

また、タブレットを活用すれば、現場ですぐに工事写真を整理して適切に管理することが可能です。
会社に戻らずに作業できるので、非常に効率的です。

タブレットに入れるアプリの種類によっては、電子黒板がバリエーション豊富で、大きさや位置を調整できるものもあります。
略図やメモを加えたり、黒板の背景を透明に設定して撮影したりできるなど、自由度の高いアプリも人気です。

タブレットによる工事写真の撮影は、アナログでの撮影以上に柔軟に対応できると言えるでしょう。

関連記事:本当に役立つ建設業向けアプリ7選!アプリ選びの4つのポイントも紹介

4. ウェブ会議

タブレットにウェブ会議アプリをインストールしておけば、現場でも手軽にウェブ会議に参加できます。
打ち合わせを行うために、場所を選ぶ必要はありません。
会議場所へ向かう移動時間も不要なので、業務の効率が上がるでしょう。

また、タブレットで図面などの資料を見られるため、ウェブ会議中の資料確認も非常にスマートです。
ペーパーレス化もグンと進みます。

5. スケジュール管理

タブレットを使えば、現場や出先にいてもスケジュール調整・スケジュール管理を見やすい画面で行えます。

アプリによっては、現場管理者だけでなく工事の各関係者のあいだで予定の閲覧や管理が可能です。
各関係者の予定や打ち合わせの出席について個別に確認しなくてもよくなるため、スケジュールの調整という面倒な作業を削減できます。

関連記事:建設スケジュールで効率アップ!工程表によるスケジュール管理を徹底解説

6. 図面管理

タブレットでは、図面の確認・編集・管理が可能です。
現場や出先で図面管理業務をできるということは、図面の運搬などにかかる労力と時間の削減につながります。

図面管理アプリによっては、図面に入力したメモを関係者にすぐに共有したり、印を付けた部分を色分けして表示することも可能です。

タブレットで図面を管理する手段は以下の3つです。

・タブレット端末にデータを取り込む
・クラウド上に保存する
・ファイルサーバ上に保存する

タブレット端末に直接取り込む場合は、図面の閲覧や編集ができるのは端末を利用する人だけに限られます。
しかし、クラウドやファイルサーバ上にアップロードした場合、アクセス権限のある人全員が図面の閲覧・編集・保存することができます。

現場に関わるすべての人が最新の図面データを参照できれば、伝達ミスや手戻りの発生を減らせるでしょう。

7. マニュアル閲覧

工事現場では、標準仕様書などのマニュアルを閲覧すべき機会が多くあります。

従来であれば、マニュアルの閲覧は冊子などの紙媒体で行うのが通常でした。
しかし、マニュアル閲覧のために現場事務所や会社に戻っていては、効率的な作業ができません。

現場用のタブレットでマニュアルを見られるようにしておけば、時間を有効活用できるでしょう。

8. 点検や検査の記録

点検・検査の際、結果を紙媒体に記入していると、現場の土やホコリ、油などで書類が汚れてしまうことがあります。

汚れた書類をファイリングするのはあまり衛生的とは言えません。
また、そのまま顧客に提出するのは失礼にあたってしまいます。

そのため、書類が汚れた場合は再び事務所で書類を印刷し、点検・検査の結果を記入する必要があります。
いわゆる二度手間の作業です。

しかし、タブレットを活用すれば、書類を汚すことなく現場で結果を記録して資料をつくれます
また、タブレットのカメラ機能を使って、資料に画像を組み込むことも可能です。
現場での作業だけで書類仕事が完結するのは、思っている以上の快適さを感じるでしょう。

建設業務で使うタブレットを選ぶポイント6選

現場での建設業務にタブレットを導入する前には、以下の6点に着目しておくのがポイントです。

1. OSの種類

タブレットに搭載されているOSが、以下の3種類のうちどれであるかをチェックしておきましょう。

・iPadOS
・Android
・Windows

iPadOSのタブレットはApple製品とデータを共有しやすく、iosだけで配信されているアプリも利用できるのが特徴です。

安価で取り入れやすいのはAndroid搭載のタブレットでしょう。
展開されているタブレット製品の種類が多いため、自社の業務により適したタブレットを見つけられます。

Windowsを搭載したタブレットは、エクセルやワードなどのオフィスソフトを使いやすいのが魅力です。

2. Wi-Fiかセルラーか

インターネット接続を用いてタブレットを活用する際には、通信方式を「Wi-Fi」と「セルラー」のどちらにするかが重要です。

Wi-Fiモデル

Wi-Fiモデルのタブレットとは、Wi-Fi環境が整備されたエリアだけでの通信が可能なタブレットを指します。
セルラータイプよりも安価であることが多く、端末費用の負担だけでタブレットを導入できます。

ただし、Wi-Fi環境でない場所ではインターネットを利用できません。
そのため、施工現場でインターネットに接続できるように、アクセスポイントを設置する必要があります。

アクセスポイントの主な設置方法には、ケーブル穴から電波を拡大する「LCX(漏えい同軸ケーブル)」や、「指向性アンテナ」によって特定方向に電波を送る広域無線が挙げられます。

セルラーモデル

セルラーモデルのタブレットとは、携帯電話の電波を活用できるタブレットのことです。

タブレットでどこでも通信接続でき、現場や事務所にWi-Fi環境が整備されていなくても、業務にインターネットを活用できます。

ただし、Wi-Fiモデルのタブレットよりも価格は高い傾向です。
また、利用者情報を記録するSIMカードの契約を要するため、手続きに多少の手間がかかります。

3. ストレージの容量

最適なストレージ容量は、タブレットの内蔵データに写真や動画を保存するのか、クラウド上に保存するのかによって異なります。

「データはクラウド上に保存する」という場合は、36ギガバイトの容量でも問題ないでしょう。
「1台のタブレットにデータをたくさん保存したい」「複数の動画データを保存したい」という場合は、64ギガバイトや128ギガバイトのタブレットが適しています。

4. 丈夫さ

現場でタブレットを使っていると、固いコンクリート上にタブレットを落としてしまうこともあります。
また、温度の変化や水濡れ、粉じんの舞う状況でも使用できるタブレットでなければ安心できません。

以下の4点を備えた丈夫なタブレットであれば、一般的な建設現場の環境に耐えられるでしょう。

・耐衝撃
・耐振動
・防塵
・防滴

重機の振動や衝撃に長時間耐えられるか、急な雨天時でも問題ないかという点も重要です。

5. サイズや重さ

活用シーンに適した画面サイズや重さのタブレットを選ぶことも重要です。

例えば、持ち運びやすいタブレットを取り入れたい場合は、7~8インチのコンパクトサイズが適しています。
一方、顧客に画面を見せたい場合は、10インチ以上の大きなタブレット画面のほうが、情報をしっかりと伝えられるでしょう。

6. 使い勝手のよさ

現場で使うタブレットは、基本的にタッチパネルで操作します。
専用のタッチペンで書き込むこともできますが、作業用手袋を装着したまま操作することや、濡れた手で触るケースも考えられます。

どのような状態でタッチパネルを操作できるタブレットなのかを、導入前に把握しておくことが必要です。
また、タッチパネルが使えない場合には、ホームボタン・電源ボタンなどの物理キーで操作できるかどうかといった内容も確認しましょう。

職人の中には、タブレットの操作に慣れていない人もいるでしょう。
使い勝手のよさは非常に重要なポイントです。

建設現場でタブレットを使う場合の注意点

現場業務でタブレットを使う場合には、会社の機密情報や顧客の個人情報の漏えいを防ぐため、セキュリティに注意する必要があります。
ここでは、タブレットのセキュリティ対策を2つご紹介します。

パスワードの設定

タブレットには必ずパスワードを設定しましょう。

パスワードには大文字・小文字・記号を用いて、簡単に察せられてしまうような単語や記念日は避けてください
タブレットを使わないときには、スリープモードにしてロックしておきます。

また、パスワードは定期的に変更し、社内で共有する際には対象を限定しましょう。
無作為のパスワードを自動で発行してくれるサービスもあるので、活用してみるのもおすすめです。

セキュリティソフトの導入

タブレットにセキュリティソフトをインストールしておけば、有害データのダウンロードを防止し、ウイルスの侵入を定期的にチェックできます。

WindowsのOSを搭載したタブレットの場合は、最初から最低限のセキュリティ機能が備わっています。
しかし、万全のセキュリティ態勢を整えるためには、企業向けセキュリティソフトをインストールしたほうがよいでしょう。

セキュリティソフトの中には、複数台に長期間導入することで価格が割引となる製品もあるため、上手にコストを抑えられますよ。

あとがき

この記事では、施工現場でタブレットを活用する具体的な方法や、タブレット選びのポイント、使用時の注意点を解説しました。
目的に合わせてタブレットを活用し、現場業務の効率アップを図りましょう。

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