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よくわかる建設SaaS!導入で得られる3つのメリットと注意点を解説

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建設SaaS

建設業界が抱えるさまざまな問題を解決するために、大きく期待されている「SaaS」。
業務の生産性アップなど、注目されている理由は複数あります。

そこで今回は、建設業界でSaaS導入が拡大する理由を解説します。
SaaSを取り入れることによって得られるメリットや、SaaS選びで注意したいポイントもご紹介するので、ぜひ導入前の参考にしてください。

建設SaaSってなに?

そもそもSaaSとは「Software as a Service」の略称で、「サース」もしくは「サーズ」と呼びます。
SaaSは、インターネットを通じて利用するソフトウェアの形態です。

メールサービスのGmailや、ストレージサービスのDropboxなどがSaaSの代表格です。
つまり、パソコンに何かをインストールすることなく使えるソフトのことをSaaSと考えれば分かりやすいでしょう。

建設SaaSとは、建設業においても強みを発揮するSaaSのことを指します。

建設SaaSの導入が広がる理由

建設業でSaaSの導入が広がる理由は、以下の3つです。

・データを活かした経営を実現
・サポートの手厚さ
・低コストで取り入れられる

3つの理由を深掘りしてみましょう。

データを活かした経営を実現

SaaSのシステムは、データが1か所に集まる仕組みです。
そのため、データベースとしての活用が期待できます。

SaaSシステムには各現場の生産情報が蓄積されていくので、管理者側も容易に情報を見ることが可能です。
また、簡単にデータを閲覧することで、経営上のさまざまな判断をくだせます

今や世界的に「情報に対価を払うこと」が常識となりつつあります。
情報の管理・閲覧を簡単にできるSaaSは、時代に合ったサービスと言えるでしょう。

サポートの手厚さ

パッケージ型ソフトは、ある意味「購入して終わり」のサービスです。
一方、SaaSではサポートやアップデートがしばしば行われます。

利用分だけ料金が生じるSaaSの提供者側は、利用者側に継続してサービスを使ってもらえるよう力を注ぎます。
そのため、SaaSのサポート体制は非常に手厚いのです。

また、利用者側に導入効果があることがSaaS提供者側の利益にもつながります。
そのため、活用方法を協働で考えたり、社内展開の方法をレクチャーしたりしてくれるSaaS事業者は多い傾向です。
「SaaSを取り入れたのに効果がなかった」というような失敗事例も比較的少なくなっています。

低コストで取り入れられる

買い切り型の通常ソフトとは異なり、SaaSは毎月使った分の料金を支払う「月額課金制」です。
そのため、余分な費用を支払わずに利用できます

また、初期費用無料のSaaSも多い上に設備投資やメンテナンス費も必要ないので、低コストで取り入れることが可能です。

操作性に優れているため、初めてSaaSを使う人でも簡単に使いこなせます。
SaaSは低コスト・高パフォーマンスのサービスであると言えるでしょう。

建設業でSaaSを取り入れる3つのメリット

建設業でSaaSを導入する最大のメリットは業務の効率化ですが、ほかにも多くのメリットがあります。
ここでは、業務効率化以外の代表的な3つのメリットをご紹介します。

内部統制の向上

会社全体で1つのSaaSを使って情報管理を行うため、内部統制が向上します。

例えば、部署や部門ごとに情報管理した場合、データの抜け漏れや不正が発生する可能性は高まります。
また、内部統制は、会社が拡大するにつれて課題となる部分です。

SaaS導入によって内部統制を強め、徹底した情報管理を実現することができます。

データをまとめて管理

SaaSを利用すると、データをまとめて管理できます。

会社が大きければ大きいほどデータの管理は複雑化し、情報の共有に時間や手間がかかります。
また、人の手による作業に依存したデータ管理では、必要資料の入手や編集がしにくい場合も。

しかし、社内情報をまとめて管理できると、社員の誰でも必要なデータを簡単に閲覧することが可能です。

膨大な資料を要する大規模な施工案件の場合でも、探しているデータの保管場所が分からなくなる事態に陥らずに済みます。

事業拡大のチャンス

SaaS導入によってデータ管理の手間を減らせれば、新たな事業について検討する余裕が生まれます。
また、データ管理のコストを減らせるので、余力の生じた経費を新規事業への投資に回すことも可能です。

建設SaaS選びのチェックポイント

各SaaSシステムはそれぞれ特徴を持っています。
建設SaaSを選ぶ上で押さえておきたいチェックポイントを見ていきましょう。

導入目的

施工現場で必要とされている機能と、社内の事務作業で必要とされる機能は異なっている場合があります。
例えば、図面検索機能が必要な社員もいれば、情報共有の効率化を求める社員もいます。

SaaSの運営者側に資料請求などを行い、システムの機能や特徴を十分理解した上で、自社の導入目的に合ったSaaSを選びましょう。

コスト

SaaSは、システムやプランによって料金設定が異なります。

低コストのみにこだわりすぎることなく、自社に必要な機能やデータ容量に見合うシステムとプランを選びましょう。

データの容量

必要なデータ容量は、業務内容によって異なります。
会社が大きくなると必要データ容量が増える可能性もあるため、サービスの利用途中でもデータ容量を増やせるSaaSを選んでおくと安心です。

セキュリティ

セキュリティの観点は、SaaSシステム選びの重要なポイントです。

容易な情報共有はSaaSの魅力の1つです。
しかし、会社の大切なデータが、情報漏洩や不正アクセスによって流出してしまっては元も子もありません。

確認しておきたいSaaSのセキュリティ対策は以下の通りです。

・SSL通信の使用
・利用デバイスに直接保存できない機能の搭載
・印刷禁止機能の搭載
・アクセス制限機能の搭載
・パスワード設定機能の搭載
・暗号化機能の搭載

セキュリティ面で充実した対策がされているSaaSを選びましょう。

サポート体制

SaaSを取り入れた後にしっかりと使いこなすには、会社内でSaaSシステムの使用を広めることが必要です。
高い専門性のサポート体制や定期的なアップデートの有無は、システム導入前に確認しておきましょう。

あとがき

データを一括で管理できるSaaSを導入することで、業務効率の向上や事業の拡大が期待できます。

しかし、情報漏洩や不正アクセス防止のために、SaaS導入前にセキュリティ対策のチェックは確実に行わなければなりません。
また、「なんのためにSaaSを導入するのか」という点は、社内で明確にしておく必要があります。

今回お伝えしたSaaSのメリットやチェックポイントを参考に、SaaSを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

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