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主な建機10種類を一挙にご紹介!特徴や別名、活躍現場をまるっと解説

建築コラム

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建設機械

建機にはさまざまな種類がありますが、特徴や活用シーンを把握していると、現場作業をグンとスムーズに進められます。

今回は、主要な10種類の建機をまとめてご紹介します。
それぞれの建機の特徴や活用する現場などを分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも建機とは?

建機とは、主に土木・建築・運搬の作業に使われる、ブルドーザーやクレーンなどの大型機械です。
「建設機械」「重機」と呼ばれることも多くあります。

ひとくちに建機と言っても、用途や役割によって非常に多種多様です。
建機のポピュラーな用途の一例を以下に挙げます。

・工事に使う
・鉱山で掘削する
・土砂を押す
・港で荷を吊り上げる

さらに、多軸トレーラーのような、建機を運ぶための建機というポジションのものも存在します。

さまざまな建機の名前や大まかな用途は知っていても、「具体的な活用方法は分からない」という場合、ミスが生じる可能性があります。

例えば、穴を掘って柱を埋めるケースです。

建機に関する知識が豊富であれば、レンタル会社から穴掘建柱車(ポールセッター)を借りて作業できます。
しかし、建機についてよく知らない場合は、油圧ショベルとクレーンを用意してしまうかもしれません。

主な建機の特徴や用途を、ある程度理解しておくことが大切です。

主な建機10種類をご紹介!

ここでは、代表的な建機について解説します。
ご紹介する建機は以下の10種類です。

1. クレーン
2. 油圧ショベル
3. ブルドーザー
4. ホイールローダー
5. ダンプカー
6. モータグレーダー
7. スクリーン
8. 穴掘建柱車
9. 杭打機
10. 舗装機械

1. クレーン

荷を吊り上げて水平に運ぶ建機が、クレーンです。
かにクレーンやラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーンなど、クレーンにはさまざまな種類があります。

かにクレーンは、小型移動式クレーンです。
積載型トラッククレーン(ユニック車)が作業できないような場所でも、吊り作業を行えます。
墓地や霊園で墓石設置に使われることも多く、段差がある場所でも安定した動作が可能です。

ラフテレーンクレーンは、不整地での走行が得意です。
よく使われるのは基礎工事で、一般道路も走行できます。
ただし、安全面を考慮して、最高時速50キロまでしか出せないようにつくられています。

オールテレーンクレーンはタイヤの軸数が多いため、高速道路でも走行可能です。
狭い場所で大きなパワーが必要とされる現場で活躍します。

関連記事:クレーンの種類とは|代表的な10種類をご紹介!建設現場で活躍するクレーンの特徴と必要な資格

2. 油圧ショベル

油圧ショベルは、先端にバケットと呼ばれるショベルを備えた掘削用の建機です。
「ユンボ」や「パワーショベル」「バックホウ」など、その呼び方はバラエティーに富んでいます。

油圧ショベルを用いれば、先端のバケットで地面を掘ったり、土砂をすくったりする作業が可能です。
建設工事や公園などの整備で活躍しています。
また、2~3トンの小型油圧ショベルの場合は、個人の住宅の庭や畑で使えます。

バケットを別のアタッチメントに変更すれば、建設や土木だけではなく、鉱山や解体、産業廃棄物処理や金属リサイクルなど、さまざまな現場での活用が可能です。

油圧ショベルの主な走行方式はクローラー式です。
そのため、不整地においても優れた走行性能を誇ります。
ただし、一般道路の走行はできないため、移動時にはダンプトラックの荷台やトレーラーに載せて運ぶ必要があります。

3. ブルドーザー

ブルドーザーは、土砂のかき起こしや運搬、ならしなどの、主に整地作業に使われる建機です。

トラクターの前面にブレードを備えており、ブレードの先端に機体の重量をかけて土砂をかき起こします。
そして、掘削した土砂を、車体を前進させて運びます。

ブルドーザーは、土木・建設・ダム・宅地造成などの現場での、整地・押土作業で大活躍。
また、転石起こしや岩石処理、伐開除根にも活用されます。
アタッチメントを装着して、溝堀りやパイプ埋設に使うことも可能です。

なお、走行する地盤によって、乾地用と湿地用のブルドーザーがあります。

4. ホイールローダー

ホイールローダーは、すくって持ち上げる作業を得意とする建機です。

車体の前面にアームとバケットがあり、土やガラなどの積み込み・運搬を行います。
足回りはタイヤなので、すくった土などを少し離れた所へ運ぶ作業もスムーズです。

車体前面のバケットをパレットフォークなどに付け替えれば、荷役作業にも使えます。

ホイールローダーの活躍の場は、建設現場だけには留まりません。
農業や畜産業の現場においても、たい肥の切り返しや飼料の積み込み・運搬に活用されています。

5. ダンプトラック

ダンプトラック(ダンプカー)は、荷台に土や砂などのさまざまな荷物を載せて運ぶ建機です。

ダンプ(dump)という英語には、「(荷物などを)どさっと下ろす」という意味があります。
土砂を排出する様子が言葉通りであるため、ダンプトラックと名づけられました。

ダンプトラックの1つであるローダーダンプ(スライドダンプ)は、荷台部分がスライドします。

荷台はスライドしたあとに傾斜をつけて土砂を排出するので、排出時のホコリを避けることが可能です。
また、高さ制限のある現場においてもスムーズに作業できるといったメリットもあります。

さらに、ローダーダンプは土砂のほかにも、一般道路を走行できない小型建機のような車両も運搬可能です。
建機を載せて現場に向かい、運んだ建機を用いてローダーダンプに土砂を積み込むというように、効率のよい作業が実現します。

ダンプトラックにはほかにも、アーティキュレートダンプトラックという便利なものもあります。
アーティキュレートダンプトラックは、不整地や軟弱地の走行に優れ、勾配にも強いのが特徴です。
また、車体が折れ曲がるため小回りも利きます。

6. モータグレーダー

モータグレーダーとは、土木工事の整地作業で活躍する建機です。
地表を切り削ったり路盤材料を敷きならしたりして、地面を平らに仕上げるためにつくられました。

荒れ地や砂利道をならすほか、道路や側溝をつくる際にも用いられます。
また、空港の建設や宅地の造成など、広い範囲の地面を平面に仕上げることが可能です。

さらに、モータグレーダーは除雪作業でも役立ちます。
冬季に豪雪地帯へ足を運ぶと、モータグレーダーで除雪する様子を見られるでしょう。

モータグレーダーは、前輪と後輪のあいだにブレードを備えています。
このブレードで、地面を平らにするのです。

ブルドーザーもブレードを押して整地する建機ですが、モータグレーダーはホイールベースが長いため、仕上げ面がきれいなのが特徴です。

全長の大きなモータグレーダーの場合でも、フレームを屈折させるアーティキュレート(中折れ式)操舵と前輪操舵を組みあわせ、意外に小さく旋回できます。

7. スクリーン

建機のスクリーンとは、建設資材などを大きさごとに選別する振動型のふるいです。
掘削作業や土木工事、廃棄物処理や木材処理の際に使います。

振動スクリーンとも呼ばれ、選別するものをホッパー部から投入し、細かいもの・小さなもの・大きなものなどに分けます。

スクリーンでふるい分けるのは以下のような建設資材です。

・土砂
・木材チップ
・砕石
・鉄鉱石
・残土ガラ
・合金鉄

また、自走式スクリーンはクローラーによって走行するため、採掘現場のような不整地を走ることもできます。

8. 穴掘建柱車

穴掘建柱車の読み方は「あなほりけんちゅうしゃ」で、ポールセッターとも呼ばれます。

穴掘建柱車は、電柱やトランスを設置するための掘削機能を備えたクレーンです。
「トラックの荷台に、クレーンと掘削機を取りつけた建機」と表現すると分かりやすいのではないでしょうか。

電柱やトランスを立てるための穴を掘削スクリューで掘り、電柱などを吊り上げて目的の場所に設置します。
穴掘りと吊り上げ設置の両方を、穴掘建柱車だけで行うことが可能です。

9. 杭打機

杭打機(くいうちき)は、土木構造物や建築物の基礎杭を、打撃や振動で地中に打ち込む建機です。

杭打工事は、地盤を安定させるための重要な基礎工事です。
柔らかな軟弱地盤に建築する場合も、杭打工事で地盤を安定させることによって、地震に負けない建物を築けます。

代表的な杭打機は以下の通りです。

・パイルドライバー
・サイレントパイラー
・ディーゼルパイルハンマー

さまざまな杭打機がありますが、特にサイレントパイラーは注目されています。

サイレントパイラーは、すでに地中に押し込まれている杭を数本つかみ、その杭を引き抜く力を反対の力に変化させ、油圧の静荷重によって次の杭を押し込む杭打機です。

サイレントパイラーの機械本体は軽量ですが、大型の杭打作業も問題ありません。
また、振動・騒音・泥水が生じないというメリットを持っています。

10. 舗装機械

舗装機械は、道路をつくる際に活躍します。
アスファルトフィニッシャーやロードローラーは、舗装機械として欠かせない建機の代表格です。

アスファルトフィニッシャーは、地面にアスファルトを敷きつめる際に欠かせません。

荷台に備えつけられたカゴ状のホッパーに、アスファルトの合材を積載。
機体の底面から地面にアスファルトを排出しながら、路面をならします。

公道を走れるホイールタイプと、キャタピラで走るクローラータイプのアスファルトフィニッシャーがあります。

ロードローラーは、地面をローラーで踏み固める建機です。
いくつかの種類がありますが、道路工事でよく使われるのはマカダム式ロードローラーです。

機体の前輪と後輪に重い鉄輪が備わっていて、地面に圧力をかけながらアスファルト舗装を締めかためます。

あとがき

土木・建築・運搬といった作業に使われる建機の種類は、非常に多様です。
建機の種類や用途を知っておくと、工事の効率化に役立ちます。
使用時には安全に留意し、業務にあわせた最適な建機を活用しましょう。

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