引っ越しアルバイトと並ぶガテン系アルバイトの代表格ともいうべき建設現場のアルバイト。未経験の初心者でも採用されやすく、その割にお給料が良い反面、大変なイメージもあるため、始めるのに躊躇している人も少なくないのではないでしょうか。
今回は、建設現場のアルバイトの仕事内容、きついといわれる理由、働く上でのメリットとデメリットも含めてくわしく紹介していきます。
目次
スキルいらずなのに日給ですぐに稼げる建設現場のアルバイト
建設現場のアルバイトを職種で言うと、多くが職人の「手元」(各種専門職人の補助的作業や手伝いを行なう半人前の作業者のこと)としての「土方」や「土工」のことを指します。
主な仕事内容は、現場の作業で発生するさまざまな雑用を担当し、処理すること。具体的な内容は工事の種類によっても違ってきますが、資材を運んだり、現場を清掃する仕事が中心となります。そのため、建設現場のアルバイトは「経験不問」とする求人が多く、難しいスキルや専門知識の必要はありません。
建設現場のアルバイトの多くは男性ですが、学生時代に体育会系の部活を経験していたり、何らかのスポーツで体を鍛えているなど、体力に自信があれば女性でも働くことは可能です。
一般的なアルバイトと違って、建設現場のアルバイトは日給制で時給換算にすると、通常より稼げる金額が高いため「今すぐお金を稼ぎたい!」という人には最適な仕事だと言えます。
建設現場ではアルバイトがいるからこそ納期を守ることができる
また、特定の作業で高度な技能を発揮する建設現場の職人の中には、「一人親方」と呼ばれる個人事業主として働いている人も少なくありません。
組み立て作業や躯体工事、内装工事などを行う職人や、重機を使った作業を担当するオペレーターといった「誰にでもできるわけではない仕事」を受け持っている専門職人が、さらに雑務までこなすとなると、工事を納期までに終わらせる事が難しくなります。
そのため、専門職人の代わりに資材運搬や清掃作業を担当するのが、アルバイトの役目なのです。
アルバイト作業員は、建設現場の全体を統括して工事の進行を管理する「現場監督」の指示に従いながら状況を見つつ、さまざまな雑務をこなすという単純作業で日給をもらいます。
しかし、将来的に正社員への登用を目指す意思がある人は、根気よくアルバイトを続けて建設現場の仕事を覚えるうちに、徐々に難易度の高い仕事を任せてもらえる可能性もあるでしょう。
建設現場のアルバイトの仕事が大変な理由
効率的に稼げるけれど、大変なことでも有名な建設現場のアルバイト。建設現場のアルバイトの仕事がきついと言われる理由を4つご紹介します。
1・体力勝負の仕事
ひとつは、仕事そのものがとても体力を要するという点。
たとえば、アルアルバイトが受け持つ後片付けの際には、コンクリート片などの重いゴミの運搬を伴うことが少なくありません。木材や金属製パイプ・パネル・鋼板・ガラ袋など、かなり重さのある資材を運ぶ作業がアルアルバイトの主な仕事です。
また、砂利や縁石を設置したり、建設現場で剥がしたアスファルトや土砂などを運んだりするのもアルバイト作業員の役目。建設現場にもよりますが、人力での穴掘り作業や、コンクリートの撹拌作業などを担当する場合もあります。
2・過酷な労働環境
2つ目の理由は、夏は暑さにさらされ、冬は寒さにさらされる仕事だということ。
とくに屋外での作業が中心の土木建設現場では、天候の影響をもろに受けてしまいますね。屋内の現場の方がまだいいのですが、空調が入っていない段階ならば、夏は蒸し暑さに悩まされるでしょう。
普段は快適なオフィスで仕事をしている会社員が、土日だけ建設現場で働いて収入を増やそうと思っても、このように環境がまったく違うため、体調を崩してしまいかねません。
3・危険な作業
3つめは、作業が危険であること。
「きつい」「危険」「汚い」の3K職場と言われがちな建設現場の仕事ですが、どんなに安全第一を心がけていても、事故をゼロにすることは難しいもの。
たとえば高所作業はアルバイトが受け持つ仕事ではありませんが、担当者が誤って資材や道具を落としてしまうと、下にいる建設作業員が落下物に当たってケガする恐れがあります。どんな作業を担当していても慎重な作業を強いられる建設現場は、常に危険と隣り合わせの仕事なのです。
そのため建設現場では、できる限りケガを防止するために、肌を守って体温が発散されにくい長袖の作業着を着用することが基本ですが、夏場に酷暑の中屋外作業を行う場合は、熱中症にも注意しなければなりません。
作業中は水分と塩分の補給をこまめに行うよう対策は取られていますが、それでも毎年必ずと言っていいほど熱中症で搬送される人がでています。
4・早寝早起き
最後の4つめは、朝が早い現場が多いということにあります。
危険をともなう仕事ですから、作業前の入念な工程確認はもちろんのこと、現場によっては全員集まっての準備運動から始まるところも。
そうなると、自宅から現場までの距離によっては公共交通機関なら始発、マイカーでも6時台から移動を始める必要があるなど、とにかく早起きが必須です。
ただし、道路工事や鉄道工事などのように、交通量の多い日中を避けて夕方から仕事を開始して翌朝に終えるというパターンもあります。
早起きが苦手な人は最初からこうした夜勤を選んでもいいかもしれませんね。
建設現場の一日の流れと労働時間
建設現場の基本的なタイムスケジュールは以下。
AM 8:00~10:00 午前の仕事
10:00~10:30 午前休憩
10:30~12:00 午前の仕事
PM 12:00~13:00 昼食・休憩
13:00~15:00 午後の仕事
15:00~15:30 午後休憩
15:30~17:00 午後の仕事
朝8時にスタートしてから、10時頃に午前休憩を1回。昼食休憩はさみ、午後の仕事を13時から始めて、15時に午後休憩を入れ、夕方17時にはその日の仕事を終えます。
肉体労働が多い仕事だけに休憩を頻繁に入れており、残業がなければ1日フルに働いたとしても実質的な労働時間は7時間程度。休憩時間も時給のうちですから、かなりお得だと言えるでしょう。
体力的に大変な作業が多いとはいえ、一日乗り切れるのは、このこまめな休憩のおかげなのです。
建設現場アルバイトの給料が高い理由
いま現在も常に全国各地で工事が行われており、工事の種類も土木工事や建築工事のみならず、解体工事や湾岸工事・電気工事・水道工事など多種多様に存在します。
こうした建設現場では、資材運搬や清掃といった単純作業の担い手が多く必要とされているため、アルバイトのなり手がいなければ現場の工程が順調に進みません。
そのため建設現場のアルバイトは仕事の需要が大変多く、日給も高く設定されています。公共性の高い事業も少なくないだけに、人件費をかけても十分に元が取れるからです。
アルバイトの給料というと、1時間あたりいくらという形の時給で計算されるのが一般的ですが、建設現場のアルバイトでは、先述したように1日の仕事の流れが決まっているため、時間帯で区切って作業を行うという働き方は合いません。
そこから日給として、1日単位の給料が決められているケースがほとんど。
また土木工事や建設現場は、雨が降るとその日の作業自体が中止になることが多く、そのため建設現場では、正社員や契約社員であっても稼働日数によって月の給料が変動する「日給月給制」を採用している例が多く見られます。
そうした習慣がある建設現場では、アルバイトに対しても1日働いていくらという形で給料を支払う方が都合が良いのでしょう。
アルバイトの日給は、工事の種類や請け負う会社によって差が出ますが、平均すると1日あたり10,000円前後が相場です。給与水準の高い都市部などでは、日給15,000円以上に達する場合もあります。
日給10,000円なら時給換算で1,400円を上回り、日給15,000円なら時給換算で2,000円以上も稼げる計算に。週1回のアルバイトでも、日給10,000円で月に4万円程度手に入ることになります。
他のアルバイトで月に10万円以上稼ぐためには、時間を費やす以外は何らかのスキルや専門的な知識が必要です。しかし建設現場のアルバイトは、肉体労働と環境に耐えうる体力がありさえすれば、誰にでもできる仕事であることが最大のメリット。
体力を消耗する仕事なので、慣れないうちは土曜日だけ現場で働いて、日曜日は体を休められるようにした方が長続きしやすくなりますが、体が慣れてきて週に2回ずつ働けるようになれば、日給の額しだいでは月に10万円以上稼ぐことも。
一般的なアルバイトの時給と比べると、とても稼ぎやすい仕事であることがお分かりなったのではないでしょうか。
あとがき
以上のように、仕事は大変でも、単位時間あたりの給料という面では大変恵まれている建設現場のアルバイト。
危険をともないますが、世の中が回るために、なくてはならない社会貢献ができる仕事のひとつでもあります。
リスクや自分の体力面などを十分に考えたうえで、ぜひ踏み出してみてくださいね。