建築業は「ガテン系」とも言われる通り、「きつい・きたない・きけん」な「3K」仕事というイメージが先行してしまい、興味はあっても始めるのは躊躇する人が多いもの。
まずは知ろうとネットで記事を読んでも、よくあるのは建物や工事現場の写真とカクカクしたお堅い建設用語が並ぶ記事。身体を動かすことが多い仕事なのに、これではイメージがつかみにくく、理解することも難しいですよね。
同じ内容でも、動画で楽しく学ぶことができれば、やる気がわいてお仕事選びもはかどるのではないでしょうか。
今回は、建設専門YouTubeチャンネルを2つご紹介します。
目次
建設現場や建設業界の情報を発信する「建設チャンネル」
「建設チャンネル」は建設現場や建設業界の情報を、実際に働いている建設作業員の目線から、わかりやすく発信しているYouTubeチャンネルです。2020年6月27日から投稿を開始しており、現在の登録者数は1.85万人にもなっています。
このチャンネルを開設したのは、株式会社井上技研の社長・井上伸吾さん。
井上さんは建設現場で5年ほど経験を積んだ後に、亀有で建設会社を設立。建設現場の面白さを伝えるとともに、建設現場に対する不安や疑問を解決していきたいという思いから、YouTubeチャンネルを始めたそうです。
その想いの通り「 建設チャンネル」では、建設業や現場仕事で役に立つ多彩な情報を発信。具体的には、以下の項目に分かれています。
建設のプロたちのリアルなトークがさく裂する【対談形式】
「一級建築士が仕事の不満を爆発!建設現場で職人とバチバチにやりあう!?(ゲスト/一級建築士kenchikushi_sho)」、「荷揚げ屋の仕事がヤバすぎたwww職人の中で最も大変な仕事説を検証! (ゲスト/元荷揚げ屋の染川さん) 」、「大工の年収を大公開!仕事内容は超きつい?(ゲスト/広島の大工・藤本さん)」というように、建設業界のさまざまな分野を紹介するにあたって、その分野のプロをゲストとした対談形式で解説している動画がたくさん投稿されています。
現場を任されているプロたちのリアルな声を聞く事で、業種ごとの学びはもちろん、メリットやデメリットを考慮に入れながらの仕事選びにも役立つでしょう。
「あるある」や「ルーティーン」シリーズが人気の【再現動画】
「現場監督(施工管理)1年目が辛すぎた…」、「現場職人の車・トラックあるある11選!」、「新人職人あるある10選!」といった『建設現場あるあるシリーズ』や、「現場監督(施工管理)の1日が激務すぎて辛い…」、「現場職人の平日24時間を大公開!」といった『一日ルーティーンシリーズ』などの経験を活かした再現動画を投稿。
建設現場を疑似体験しながら、それぞれの分野の業務やルーティーンの違いなどを比較することもできそうです。さらには職人ならではの「私生活あるある」を紹介するものも。プライベート事情も含めて参考になりますね。
仕事上のトラブルやハプニングをすべて公開する【密着動画】
井上さん自身の業務に密着した動画もありました。”事件は現場で起きている”というフレーズの通り、「【1日密着】建設会社の社長は普段何してる?職人のやらかしで現場が大混乱!」、「現場仕事中に職人が逮捕!?衝撃の修羅場エピソードを激白!」など、実際に起きた仕事上のトラブルやハプニングも包み隠さず公開しているので注目です。経営者の大変さが身に染みるかもしれません。
外壁塗装や防水について学べる「塗り替え道場」
「塗り替え道場」は塗装職人や足場職人の日常、塗装会社の裏側などを発信しているYouTubeチャンネルです。2013年11月20 日より投稿を開始しており、現在では16.3万人もの登録者を抱えています。
このチャンネルは、塗装屋会社の株式会社塗り替え道場が運営しています。株式会社塗り替え道場は愛知、三重、岐阜に11店舗も展開している大きな会社で、塗装職人、足場職人、防水職人の約80人のスタッフが在籍しているそうです。社長である小林勝庸さんを中心に、在籍している職人やスタッフたちでYouTubeの動画を作成し、会社を盛りあげています。
「塗り替え道場」の特徴は以下。
塗装現場の空気感や職人に求められるものが伝わる動画
現場の様子がしっかり映り込んでいるので、塗装現場の空気感や、職人に求められるものが伝わってきます。外壁塗装や防水についてわかりやすく説明している動画や、 「雨が続いて現場に入れず給料0円!今年は異常気象のせいでまともに作業ができていません!このままでは生活ができなくなってしまいます!」といった業種ならではの悩みを語る動画、建設業界についてのセミナー動画なども作成しているようです。
足場や塗装の技術を学びたい人はもちろん、建設業界に足を踏み入れようと思っている人にもおすすめできます。
従業員を巻き込んだエンターテイメント性も追求
チャンネル投稿者数の多さは、建設の話題はもちろん「【バレたら即終了】社長の自宅に不法侵入して潜入!1日バレずに生活出来るのか!極限サバイバルでまさかの展開に!」といったドッキリ動画や従業員のプライベートに突っ込んだ内容など、エンターテイメント性の高い動画も人気があるため。
「暑い日の仕事終わり1杯が美味い!昔と今とでは鳶職人の格好も環境も激変!たまにはこういった語り合いもいいものです!」、「朝は基本自力で起きないイケメン職人!全て嫁任せで離婚の危機寸前か!プライベートでの素顔を追求しました!」、「久しぶりの現場撮影で近状を聞いたら爆弾発言!知らぬ間に彼女できて親にも挨拶行きました!ついにショウくんも結婚か!」などのタイトルが並ぶ、かなりアットホームなチャンネル構成となっています。
従業員も巻き込んで、楽しみながら社内一丸となって動画を作成している様子が伝わってきますね。
不祥事も失敗もすべてさらけ出していくスタイル
さらに「塗り替え道場」では、会社で起こった不祥事なども隠す事なく、全部動画で公にしています。
「美人営業の裏取引の瞬間を捉えた!不祥事があったばかりのだからこその意識調査!建設業界の闇の部分をまたまた大公開!」、「刑事事件!退職した元社員の横領が発覚!建設業にはまだこのような顧客との直接的なやり取りがあります!事の真相を当事者を呼び出して詳しく聞き取り」、「責任者解雇から2ヶ月経った足場班に新たな事件!何度も現れる問題にどう立ち向かう?職人達はどう解決するのか!」といった衝撃的なタイトルで、職人が会社に借金を作ったまま飛ぶ、横領事件、業務上の失敗といったかなり重大な問題も公に。
建設業界の厳しさを再認識する事ができそうですね。
あとがき
建設業界のメリット、デメリットを見極めたり、仕事について学ぶためには、現場で働いている人たちの生の声を聞くことが一番の近道です。
それに加えてエンターテイメント性の高いYouTubeなら、建設業界をさらに身近なものにしてくれるでしょう。
今後も新たな建設チャンネルの登場をリサーチしていきます!