C'Lab

建設コンサルタント業界大手5社を徹底解説!業界の今後はどうなるの?

働き方

30
建設コンサルタント

公共のインフラづくりに、調査や計画の段階から取り組む建設コンサルタント。

今回は、社会的な役割の大きい建設コンサルタントの、主要5社について分かりやすく解説します。
「建設コンサルタントってなに?」という疑問を持つ方にも分かりやすくお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

そもそも建設コンサルタントとは?

建設コンサルタントとは、道路や鉄道、橋や河川、空港やまちづくりといった事業にかかわる、調査・計画・設計などを行う業務です。

道路などの公共インフラは社会資本と呼ばれますが、社会資本の建設には「設計・施工分離の原則」というものが存在します。
なぜなら、社会資本は税金を用いて整備されるので、公平性や透明性を補償するために、設計と施工を別の業者が担う必要があるためです。

設計・施工分離の原則にもとづいて、建設コンサルタントが事前調査や計画立案などを担い、ゼネコンが施工を担っています。

また、公共事業を担当する建設コンサルタントには、国土交通省への登録が必要です。

今後の建設コンサルタント業界

建設コンサルタントの特徴は、建築物を実際につくるのではなく、官公庁を主要な取引先として、社会資本にかかわる業務を営んでいるという点です。

国土交通省の調査によると、2021年度末の時点で、国内には3,959もの建設コンサルタント業者が存在しています。
建設コンサルタントの登録業者数が最も多かったのは2005年度でしたが、当時と比べてもそこまで大きく変動してはいないと言えるでしょう。

出典:建設関連業 登録業者数調査(令和3年度)|国土交通省

人間が生活するうえで、社会資本がなくなることはまずありません。
豊富な経験や専門知識を持つ建設コンサルタントが、今すぐAIなどに取って代わられることも考えにくいものです。

建設コンサルタント会社の中には、エネルギーや農業といった新たな領域に参入している会社もあります。
今後はいっそう、建設コンサルタント業者が国内外で活躍する場面を目にするでしょう

建設コンサルタント業界の大手5社

建設コンサルタントの大手は以下の5社です。

・日本工営株式会社
・パシフィックコンサルタンツ株式会社
・株式会社 建設技術研究所
・株式会社オリエンタルコンサルタンツ
・JR東日本コンサルタンツ株式会社

ここでは、大手建設コンサルタント5社について詳しく解説します。

日本工営株式会社

1946年の創業以来、70年以上にわたって160か国で社会資本づくりの事業に携わってきた建設コンサルタント会社です。
社会資本づくりにかかわるコンサルティングと、世界各国の国づくりを支える電力エンジニアリングを、主力事業としています。

特に高く評価されているのが技術力です。
業界トップクラスの規模を持つ自社研究所において、最新技術の研究・実験が行われています。

また、数多くの特許を取得しており、国土交通省からの表彰も受けています。

好調な国内事業とあわせて、今後は海外事業を強めていく方針です。

参考:日本工営株式会社ホームページ

パシフィックコンサルタンツ株式会社

前述の日本工営株式会社に引けを取らない、国内トップクラスの建設コンサルタント会社です。
道路・鉄道・河川・港湾・空港など、あらゆる社会インフラの構築や整備に携わっています。

同社は、研究開発にも意欲的です。
つくば技術研究センターでは、模型を用いた実験や、大気・水質・土壌などの分析を実施しています。

「技術の力を、未来の希望に」
「社会インフラサービスの先駆者となり、持続可能な世界へと導く」
とのビジョンを掲げる同社。

建設コンサルタントの枠組みを超え、創造的思考や行動、革新的テクノロジーの力を生かし、持続可能な世界の実現を目指しています。

参考:パシフィックコンサルタンツ株式会社ホームページ

株式会社 建設技術研究所

1945年に財団法人建設技術研究所が創立。
そうして独立したのが同社です。
日本最初の建設コンサルタント会社と言えるでしょう。

老舗である同社は、現在でも建設コンサルタント大手の1つです。
業務の大半は、国土交通省が発注する国策的なインフラ事業となっています。

総合建設コンサルタントである同社は、「流域・国土事業部門」「交通・都市事業部門」「環境・社会事業部門」「建設マネジメント事業部門」の4事業部門で構成されています。

とりわけ強みを持つのは河川分野です。
河川分野における受注数は、長きにわたり国内トップクラスを誇っています。

参考:株式会社 建設技術研究所ホームページ

株式会社オリエンタルコンサルタンツ

1957年創立の同社は、国内最大規模の売上実績を誇る総合建設コンサルタント会社です。
国土マネジメントをはじめ、行政・福祉・教育などの社会環境分野の事業全般に、国内外問わず携わっています。

最近では、太陽光発電事業観光モビリティ(観光での動きやすさ)事業農業6次産業化(1次・2次・3次産業を融合することで、新しい産業を形成する取り組み)など、資金を自ら調達し、インフラビジネスを事業者として広げています。

海外事業については、もともとあった同社の海外部門を「株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル」として、2006年に独立させました。

参考:株式会社オリエンタルコンサルタンツホームページ

JR東日本コンサルタンツ株式会社

東日本旅客鉄道の完全子会社である同社は、鉄道分野を得意とする建設コンサルタント会社です。
橋梁や鉄橋などの社会資本の構築・整備と、駅周辺の緑化対策に力を注いでいます。

同社ではICT事業も営んでおり、鉄道施設の膨大なデータを一元管理して鉄道業務を支援するなど、さまざまな実績を積み上げています。
また、JR東日本の全駅約1,700駅の構内図・駅設備情報・時刻表を網羅した「JR東日本アプリ」は、2014年グッドデザイン賞の受賞にもいたりました。

鉄道を基軸にした総合建設コンサルタントとして、技術と情報を最大限に生かした社会貢献を目指しています。

参考:JR東日本コンサルタンツ株式会社

あとがき

この記事では、建設コンサルタントの概要や業界の今後の展望、主要な企業について解説してきました。

建設コンサルタントが事業展開するのは、主に社会資本づくりの分野です。
社会的な役割を担う存在である建設コンサルタントは、今後も安定した業績が期待できる業界であると言えるでしょう。

関連記事:建設コンサルタントの仕事内容や年収は?激務でキツイって本当?

30