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建設業界のコロナによる影響。今後需要が見込まれるプロジェクトとは?

建築コラム

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建設業界のコロナによる影響

国内外を問わず多くの人に影響を与えてきたコロナ禍ですが、建設業界も大きな影響を受けています。

この記事では、建設業のコロナ関連破たんや大手ゼネコンの業績について解説します。
また、需要が見込まれる建設プロジェクトや、コロナ後の建設業界に求められる取り組みについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

建設業のコロナ関連の破たんは?

東京商工リサーチの調べによると、2022年3月の時点で、建設業のコロナ関連破たんは318件となっています。
これは、飲食業やアパレル業、飲食業などを含めた全業種のコロナ破たん件数の、およそ10%を占める割合です。

出典:倒産増の兆し、建設業のコロナ破たんがジワリ増加|東京商工リサーチ

破たんした建設業者の業種は?

建設業でコロナ破たんした318の会社について、業種を細かく見てみます。

【コロナ破たん318社の主な業種】

・建築…66社(20.7%)
・建築リフォーム…35件(11.0%)
・内装…32社(10.0%)
・木造建築…23社(7.2%)
・土木…20社(6.2%)
・電気…18社(5.6%)
・とび…16社(5.0%)
・塗装…15社(4.7%)
・管工事…11社(3.4%)
・はつり・解体…10社(3.1%)

最も多かったのは、建築工事業の66社です。
コロナの影響で分譲マンションの開発の動きが弱まったほか、資材の高騰が響きました。
また、建築工事業の勢いの低下に連なり、付帯工事の破たんも顕著です。

建設業のコロナ破たんの原因は、工事の延期や中止の増加によって、資金繰りを維持できないケースが増えた結果であると見られます。

また、マスクや消毒液、シールドヘルメットなどの衛生資材購入費といった、感染予防にかかわる費用の増加も、コロナ以前にはなかった費用負担です。
三密を避けるために、これまでの作業工程を組めないことにより、人件費が増えている建設業者もあります。

大手ゼネコンの業績は?

大手ゼネコン4社(大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設)の2022年3月期の連結決算を見ると、鹿島建設を除く3社の純利益は、前期の実績を下回っています。

出典:ゼネコン大手が3社減益 22年3月期、資材高響く|日本経済新聞

受注競争の激化で大規模な建築工事を受注する際の採算が悪化したところに、資材の高騰が加わり利益を下げました。
原油価格の高騰により、建機の燃料や輸送コストも割高となっています。

2023年3月期は、鹿島建設と大成建設の2社が減益を見込んでおり、資材や原油の価格高が本格化によっていっそう下振れする可能性もあります。

資材の仕入れや労務の管理を徹底している大手ゼネコンですら、減益に追い込まれたという点に、深刻さを感じる人は多いでしょう。
中小規模の建設業者の利益環境は、大手ゼネコンよりもさらにシビアであると言えます。

関連記事:ゼネコンとは?大手5社の特色や魅力、建設業界で担う役割を徹底究明!

コロナの状況下でも需要が見込まれる建設プロジェクト

いまだ完全収束とは言いきれないコロナ禍。
しかし、コロナの状況下でも需要を見込める建設プロジェクトもあります。
ここでは、そのような建設プロジェクトの中でも代表的な2つをご紹介します。

【国内】大阪万博

2025年に開催が予定されている大阪万博。

大阪湾の人口島・夢洲(ゆめしま)の155ヘクタールもの広大な敷地に、各参加団体のパビリオン(展示館)の建設が求められています。
また、周辺地域には関係者や来場者が利用する、ホテルなどの宿泊施設の建設も必要です。
そのため、建設投資の総額は2,000億円にものぼると予想されています。

大阪万博へのアクセスの要となる、大阪メトロの延伸や市街地からのトンネル掘削は、着々と進められています。
建設業界にとって、大阪万博はプラス面の大きいプロジェクトであると言えるでしょう。

【国外】東南アジアのインフラ整備

著しい成長を続けている東南アジアでも、建設プロジェクトの需要が見込まれています。

各国ではコロナの影響によって建設需要が低迷していましたが、タイ・ベトナム・マレーシアなどでは、国内でのコロナ感染拡大の抑え込みに成功。
じわじわと建設需要が持ち直しています。
2022年中には、コロナ以前の水準と同じ程度となるでしょう。

コロナ後の建設業界に必要な取り組み

そもそも建設業界には、コロナによる影響を受ける以前から、労働環境や人手不足にまつわる多くの課題を抱えていました。
しかし、コロナ禍によって、そのような課題は目を背けられないほど浮き彫りになったのです。

業界内の課題を解決するために、コロナ後の建設業界に求められる取り組みを3つ挙げます。

業務効率の向上

コロナの影響で経営体力が弱まっている建設業界の急務は、業務効率の向上です。
利益を高めるためには、日々の業務を効率的に行う必要があります。

建設業は、以下のような理由から、製造業などと比べて業務の効率化が難しいと言われています。

・顧客の要望に個別対応する必要がある
・天候に左右される
・多重下請構造であるために全体像を把握しにくい
・作業の進捗や品質が作業者の能力に左右される

建設業界が業務効率の向上を目指すためには、コミュニケーションや事務作業などの取り組みやすい部分から、IT技術を活用することが重要です。

人材の確保

デジタル化が進む昨今においても、建設業には「人」にしか行えない仕事が多く存在します。
そのため、人手不足を解消するための取り組みが必要です。

建設業界の人手不足が深刻なのは、3K(きつい・きたない・きけん)のイメージや労働環境がよくないことが大きくかかわっています。

人材確保のためには、待遇の改善や整った福利厚生、若年層がキャリアアップする機会の充実など、具体的な改善策の実施が求められます。

IT技術の導入

業務の効率化や人材の確保のために重要なのが、IT技術の導入です。
測量から設計、施工や検査、管理や運営にいたるあらゆるプロセスにおいて、IT技術は導入できます

しかし、建設業界では、対面や電話による調整や、紙ベースの書類といったアナログ業務がまだまだ多いのが現状です。
コロナの影響でダメージを受けたシビアな現状を打ち破るために、IT技術の積極的な活用が求められています。

あとがき

この記事では、建設業界が新型コロナウイルスから受けた影響についてご紹介しました。
会社の規模にかかわらず、柔軟な対応を実施することで、コロナの影響に負けない安定した体制を整えましょう。

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