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ゼネコンとは?大手5社の特色や魅力、建設業界で担う役割を徹底究明!

建築コラム

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ゼネコンを徹底究明

ゼネコンが建設業界に与える影響力は非常に大きく、工事の規模や売上も莫大です。プロジェクトの中には、なんと100億円単位の金額が動くことも。

中でも建設業界を代表するスーパーゼネコンは、鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店の5社。これらの企業の売上高は1兆円を超えており、従業員数や平均年収も非常に高いものとなっています。

今回は、ゼネコンのあらましや大手5社の特色・魅力、建設業界で担う役割について徹底的に究明していきます。

ゼネコンとは何か

まずは、ゼネコンのあらましについてお伝えします。

ゼネコンの意味

「General Constructor(ゼネラル・コンストラクター)」を短くした「ゼネコン」。直訳は「総合請負者」ですが、転じて「総合建設業」を意味する用語となっています。

ゼネコンは、土木一式工事や建築一式工事を請け負います。「一式工事」とは、元請業者として総合的な企画・指導・調整を行い、土木工作物や建物を建設する工事のこと。複数の下請業者を取りまとめて、大規模で複雑な工事を請け負うゼネコンは、言葉を変えれば「建設の指揮役」と言えるでしょう。

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ゼネコンの仕事内容

ゼネコンの仕事内容は、大きく分けると以下の4つです。

原価管理

予算内に工事を行い利益が発生するように、人件費・材料費・重機等のレンタル費などを管理。

品質管理

仕様書や設計図書で決められた品質を満たしているか、確認しながら工事を進めます。

工程管理

施工計画を立てて下請業者に工事を割り振り、予定通りに工事が行われているか、進捗状況を管理します。

安全管理

建設現場の事故を防ぐために、下請業者が安全に作業できる環境を整えます。

スーパーゼネコン5社を究明!

ここからは、スーパーゼネコン5社それぞれの特色や魅力について、詳しく見ていきましょう。

鹿島建設

・売上高…1兆9,071億7,600万円
・経常利益…1,397億2,900万円
・従業員数…1万8,905人
・平均年齢…44.1歳
・平均勤続…18.3年
・平均年収…1,135万1,777円

※平均年齢・平均勤続年数・年収は単体。他は連結ベース。

第124期 有価証券報告書(2020年4月1日~2021年3月31日)|鹿島建設

鹿島建設の設立は1840年。「進取の精神」という理念のもと、国内で初めて鉄道工事を請け負ったり、日本初の高層ビル(霞が関ビル)を建設したりと、まさに理念が表す通りの先駆的な事業に取り組んできました。

実績は、東京駅丸の内駅舎(再建・復元)や東京ミッドタウン日比谷、お台場フジテレビ本社ビルなど多岐にわたります。しかし、特に強みを持っているのは、トンネルやダム、上下水道などの土木です。

また、特徴的なのはグループ会社数の多さ。グループ261社で事業領域を拡げており、海外展開にも積極的です。

さらに、人手不足への対策として、生産性の向上にも取り組んでいます。建設機械の自動化技術の開発、「鹿島スマート生産」による全プロセスのデジタル化などを目指しています。

大林組

・売上高…1兆7,668億9,300万円
・経常利益…1,287億8,400万円
・従業員数…1万5,267人
・平均年齢…42.6歳
・平均勤続…17.1年
・平均年収…1,032万957円

※平均年齢・平均勤続年数・年収は単体。他は連結ベース。

第117期 有価証券報告書(2020年4月1日~2021年3月31日)|大林組

大林組は1936年の設立以来、東京スカイツリーや六本木ヒルズ森タワー、大阪城など、地域や時代を象徴する建物を数多く手がけてきました。

大林組の環境ビジョンには、再生可能エネルギー事業の推進などに加え、ESG(環境・社会・ガバナンスの視点で企業が問題解決に臨む)やSDGs(持続可能な世界の実現に向けた目標)達成への貢献を目指すことを明記。「地球・社会・人」と自社のサステナビリティを追求しています。

また、「土木・建築・開発・新領域・エンジニアリング・原子力・ロボティクス・技術開発」と非常に多面的に事業を進める大林組。ステレオタイプの建設業のイメージに固執せず、新事業に関われる特殊な環境です。

大成建設

・売上高…1兆4,801億4,100万円
・経常利益…1,359億3,700万円
・従業員数…1万4,620人
・平均年齢…42.9歳
・平均勤続…18.2年
・平均年収…985万653円

※平均年齢・平均勤続年数・年収は単体。他は連結ベース。

第161期 有価証券報告書(2020年4月1日~2021年3月31日)|大成建設

スーパーゼネコンの中で唯一、非同族経営を行っているのが大成建設です。そのため風通しの良い会社であると言われています。設立は1917年。傘下には「大成建設ハウジング」が置かれ、住宅事業にも着手しているという点が特徴的です。

主要な実績には東京芸術劇場や新江ノ島水族館、羽田空港国際線ターミナル、新宿センタービルなどが挙げられる他、新国立競技場などの国家的な案件にも関わっています。

また、再開発や施設運営などの都市開発事業にも力を注いでいます。市街地再開発事業の分野では、市場の20パーセントを占有。新事業を進めるというよりかは、本業に集中して売上を伸ばしている企業であると言えます。

清水建設

・売上高…1兆4,564億7,300万円
・経常利益…1,054億6,500万円
・従業員数…1万6,586人
・平均年齢…42.8歳
・平均勤続…15.3年
・平均年収…971万2,000円

※平均年齢・平均勤続年数・年収は単体。他は連結ベース。

第119期 有価証券報告書(2020年4月1日~2021年3月31日)|清水建設

清水建設は「宮大工」という個性的な起源を持つスーパーゼネコンです。1937年に設立し、伝統と実績を積み上げてきました。その一方、管理職への女性起用や働き方改革にも意欲的。フレキシブルな対応を心がけています。

代表的な実績は長崎オランダ村ハウステンボスや横浜マリンタワー、サンシャイン60、モード学園コクーンタワー、歌舞伎座タワー等。「子どもたちに誇れるしごとを。」という理念のもと、都市開発のみならず伝統建築や社寺建設のような、未来に伝統文化を伝える事業にも携わっています。

特徴的なのは、「ものづくり」にこだわる社風。特許技術を多く持ち、他の企業には真似ることのできない技術開発に注力しています。

竹中工務店

・売上高…1兆2,377億5,800万円
・経常利益…469億5,400万円
・従業員数…1万3,171人
・平均年齢…44.0歳
・平均勤続…19.1年
・平均年収…1,007万2,811円

※平均年齢・平均勤続年数・年収は単体。他は連結ベース。

第83期 有価証券報告書(2020年1月1日~2020年12月31日)|竹中工務店

竹中工務店の創業は、なんと1610年にまでさかのぼります。事業は大別して「建築事業・開発事業等・その他(不動産管理事業・保険代理事業等)」となっていますが、売上のほとんどは建築事業です。

職人気質とさえ言われるほど建築事業に力を入れている竹中工務店ですが、特に設計部門は大手の設計事務所に匹敵する実力を保有。独特の雰囲気を醸し出す、高い品質の設計が魅力で、出江寛や菊竹清訓といった有名な建築家を輩出してきました。

手がけてきたのは日本武道館や東京タワー、あべのハルカスなど。竹中工務店にしか出せない設計力がみなぎっています。

建設業界でゼネコンが担う役割

建設業界でのゼネコンの役割は、土木工作物や建物などを施工することです。土木工作物とは、トンネルや道路、橋、ダムなどの社会インフラを支えるもの。そして建物も、学校やマンション、商業施設、オフィスビル、ホテル、マンションなどの身近な存在です。

少し視点を変えると、土木工作物や建物は、人々の暮らしを便利にし、経済を豊かにしてくれます。そして時には、災害などから身を守ってくれることも。そういった工事や事業を取りまとめ、より良いものを提供しているゼネコンは、「人や社会の未来を創っていく役割」を担っていると言えるのではないでしょうか。

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