今さら聞けない作業用ヘルメットの耐用年数！定期チェックも忘れずに。

2022.12.05 2022.12.02

建設業の現場作業では、ほとんどのシーンで作業用ヘルメットの着用が義務づけられています。

ヘルメットは、さまざまな危険から作業者の命を守る大切な存在です。
しかし、丈夫な作業用ヘルメットにも耐用年数があります。
耐用年数を過ぎたヘルメットをそのまま使いつづけていると、非常に危険です。

この記事では、作業用ヘルメットの耐用年数をご紹介します。
また、耐用年数の正しい数え方や、ヘルメットの定期チェック項目もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

作業用ヘルメットの耐用年数

作業用ヘルメットの耐用年数は、素材によって異なります。

ヘルメットの素材には、熱で溶ける熱可塑性樹脂と、熱で固まる熱硬化性樹脂があります。
それぞれの樹脂でできた作業用ヘルメットの耐用年数は以下の通りです。

熱可塑性樹脂製ヘルメット

・耐用年数は使用開始から3年
・該当する樹脂はPC（ポリカーボネート）やPE（ポリエチレン）、ABS樹脂など

熱硬化性樹脂製ヘルメット

・耐用年数は使用開始から5年
・該当する樹脂はFRP（繊維強化プラスチック）など

耐用年数を過ぎると、外観に異常がない場合でも耐久性は下がってしまいます。
安全のために必ず交換しましょう。

また、ヘルメットのあごひもやハンモックなどの内装品は劣化が早いので、1年ごとの交換が推奨されています。
ヘルメットの内装品は合成繊維でできていることが多く、汚れや破損のほかにも、ニオイや雑菌の繁殖などの目に見えない劣化が進んでいる可能性があるためです。

作業用ヘルメット本体とあわせて、あごひもやハンモック、汗止めの耐用年数も意識しておきましょう。

作業用ヘルメットの耐用年数の数え方は、製造年月日から数えるのが正解ではありません。
正しくは、ヘルメットを装着して使いはじめた使用開始日から数えます。

例えば、1年前に製造されたヘルメットでも、使いはじめたのが今日の場合は「今日から3年」もしくは「今日から5年」が耐用年数です。

作業用ヘルメットの内側には、小さなサイズの「警告・注意シール」が貼ってあります。
シールにはヘルメットの使用開始年月を記入するスペースが設けられています。
メーカーによっては、使用開始日を記入するための専用シールが付属していることもあるでしょう。

使用開始日の記載は交換時期の目安となるので、ぜひ活用しましょう。

作業用ヘルメットは耐用年数の間の交換が推奨されています。
ただし、破損や変形がある場合は、耐用年数にかかわらず速やかな交換が必要です。

ヘルメットの異変を迅速に察知するには、定期的なチェックが効果的です。
ここではヘルメットの定期チェック項目をご紹介するので、ぜひご活用ください。

ヘルメットの帽体が以下のチェック項目に該当する場合は、使用を速やかに中止しましょう。

一度でも衝撃を受けたヘルメットは、見た目に異常がなくても保護性能が低下しています。
そのようなヘルメットの使用は必ず中止してください。

ヘルメットの着装体やあごひもが以下のチェック項目に該当する場合は、すぐに部品を交換しましょう。

改造されたヘルメットは、本来の保護性能を発揮できません。
使用者が改造したヘルメットの着用は中止しましょう。

ヘルメットの衝撃吸収ライナーが以下のチェック項目に該当する場合は、速やかに部品を交換してください。

この記事では、建設業の現場作業に欠かせない作業用ヘルメットの耐用年数について解説しました。

ヘルメットを最適な状態で使用するためには、耐用年数の把握や定期的な点検が重要です。
保護性能の低下したヘルメットを使用した場合、重大な事故を招いてしまいます。

現場事故を未然に防ぐために、ヘルメットは適切なタイミングで交換しましょう。