文字通り「山のよう」に存在する、建設業に関する書類――。そのほとんどは、所定の期間の保存が求められています。
しかし、やっかいなことに、書類ごとに適用される法律や、保存が必要な期間は異なります。そういったことをすべて正確に理解している人は、恐らくほとんどいないのではないでしょうか。
この記事では、そのような建設業に関する書類を保存すべき期間と、それに関連する建設業法・安衛則を、わかりやすくまとめています。ぜひ、あなたのデスクワークの参考にお使いください。
目次
- 帳簿
- 帳簿の添付書類
- 営業に関する図書
- 安全衛生委員会議事録
- 特別教育の記録
- 健康診断個人票
- 騒音測定記録
- クレーン過負荷制限特例記録/デリック過負荷制限特例記録
- クレーン点検記録/デリック点検記録/エレベーター点検記録
- 移動式クレーン点検記録/簡易リフト点検記録
- 建設用リフト点検記録
- 有機溶剤作業環境測定記録
- 有機溶剤作業環境測定結果の評価記録
- 有機溶剤健康診断個人票
- 鉛作業環境測定記録
- 鉛作業環境測定結果の評価記録
- 鉛健康診断個人票
- 四アルキル鉛健康診断個人票
- 特定化学物質用局所排気装置/除じん装置/排ガス処理装置/廃液処理装置点検記録/特定化学設備またはその付属設備点検記録
- 特定化学物質作業環境測定記録
- 特定化学物質作業環境測定結果の評価記録
- 特別管理物質製造、取扱作業記録
- 特定化学物質等健康診断個人票
- 放射性物質濃度測定記録
- 電離放射線健康診断個人票
- 酸素欠乏危険作業場所環境測定記録
- 粉じん用局所排気装置および除じん装置点検記録(分解による改造、修理)
- 粉じん作業環境測定記録
- 粉じん作業環境測定結果の評価記録
- 衛生日誌、衛生管理者の職務上(巡視等)の記録
- 産業医の職務上(巡視等)の記録
- あとがき
帳簿
・保存すべき期間
5年間
帳簿の添付書類
・契約書
・下請負人に支払った下請代金の額、支払年月日および支払手段を証明する書類またはその写し
・施工体制台帳(※記載項目に関する指定あり)
・保存すべき期間
5年間
営業に関する図書
・工事内容についての発注者との打ち合わせ記録
・完成図
・施工体系図
・保存すべき期間
10年間
安全衛生委員会議事録
重要なものに関係する記録を保存します。
・保存すべき期間
3年間
関連:安衛則23条|e-GOV
特別教育の記録
・保存すべき期間
3年間
関連:安衛則38条|e-GOV
健康診断個人票
1.雇い入れ時
2.定期
3.海外派遣労働者
・保存すべき期間
5年間
関連:安衛則51条|e-GOV
騒音測定記録
・保存すべき期間
3年間
クレーン過負荷制限特例記録/デリック過負荷制限特例記録
1.荷重試験結果
2.定格荷重をこえる荷重での使用結果
・保存すべき期間
3年間
クレーン点検記録/デリック点検記録/エレベーター点検記録
暴風地震後の点検記録を保存します。
・保存すべき期間
3年間
関連:クレーン則38条、クレーン則123条、クレーン則157条|e-GOV
移動式クレーン点検記録/簡易リフト点検記録
作業開始前点検記録を保存します。
・保存すべき期間
3年間
建設用リフト点検記録
・作業開始前点検記録
・暴風地震後の点検記録
・保存すべき期間
3年間
有機溶剤作業環境測定記録
・保存すべき期間
3年間
関連:有機則28条|e-GOV
有機溶剤作業環境測定結果の評価記録
・保存すべき期間
3年間
有機溶剤健康診断個人票
1.雇い入れ時
2.当該業務への配置換の際
3.定期
4.二次
・保存すべき期間
5年間
関連:有機則30条|e-GOV
鉛作業環境測定記録
・保存すべき期間
3年間
関連:鉛則52条|e-GOV
鉛作業環境測定結果の評価記録
・保存すべき期間
3年間
鉛健康診断個人票
1.雇い入れ時
2.当該業務への配置換の際
3.定期
4.二次
・保存すべき期間
5年間
関連:鉛則54条|e-GOV
四アルキル鉛健康診断個人票
1.雇い入れ時
2.当該業務への配置換の際
3.定期
・保存すべき期間
5年間
関連:四鉛則23条|e-GOV
特定化学物質用局所排気装置/除じん装置/排ガス処理装置/廃液処理装置点検記録/特定化学設備またはその付属設備点検記録
・保存すべき期間
3年間
特定化学物質作業環境測定記録
・保存すべき期間
3年間(特別管理物質は30年間)
関連:特化則36条|e-GOV
特定化学物質作業環境測定結果の評価記録
・保存すべき期間
3年間(特別管理物質は30年間)
特別管理物質製造、取扱作業記録
・保存すべき期間
30年間
特定化学物質等健康診断個人票
1.雇い入れ時
2.当該業務への配置換の際
3.定期
4.二次
・保存すべき期間
5年間(特別管理物質は30年間)
関連:特化則40条|e-GOV
放射性物質濃度測定記録
・保存すべき期間
5年間
関連:電離則55条|e-GOV
電離放射線健康診断個人票
1.雇い入れ時
2.当該業務への配置換の際
3.定期
・保存すべき期間
30年間
関連:電離則57条|e-GOV
酸素欠乏危険作業場所環境測定記録
・保存すべき期間
3年間
関連:酸欠則3条|e-GOV
粉じん用局所排気装置および除じん装置点検記録(分解による改造、修理)
・保存すべき期間
3年間
粉じん作業環境測定記録
・保存すべき期間
7年間
粉じん作業環境測定結果の評価記録
・保存すべき期間
7年間
衛生日誌、衛生管理者の職務上(巡視等)の記録
・保存すべき期間
保存期間の指定はありません。
産業医の職務上(巡視等)の記録
・保存すべき期間
保存期間の指定はありません。
あとがき
今回は、建設業に関する書類を保存すべき期間と、それに関連する建設業法・安衛則をまとめてみました。
書類の作成や保存方法には、紙を使用したものと、アプリやソフトを使用したものがあります。昨今主流となっているは、アプリやソフトを使った方法です。
アプリやソフトを使用し書類を電子化することで、書類保存の手間は大幅に軽減されます。また、保管場所に頭を悩ませることもなくなることでしょう。そして、必要な書類を必要なタイミングですぐに検索することも可能です。
冒頭でもお伝えしたとおり、それこそ「山のよう」な建設関連書類。少しでも業務の効率を高めるために、状況にあわせてさまざまなツールを使用してみてはいかがでしょうか。
業務の効率化アップのために便利なツールについては、こちらでもご紹介しています!