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建設業の工事注文書ってなに?目的や保存期間、作成方法まで徹底解説!

建築コラム

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建設業の工事注文書ってなに?

建設業で工事を受発注した場合に必要となる工事注文書

「工事注文書ってなに?」「工事注文書はどんなふうに作るの?」という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、建設業の工事注文書の作成目的や保管期間、作成方法について詳しく解説します。
また、工事注文書と混同しやすい工事注文請書との違いについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

建設業の工事注文書とは?

建設業における工事注文書は、工事の発注者が受注者に向けて作る契約書類です。
工事注文書には、取引先の名称や合計金額、納期や支払方法を記載します。

建設業の工事注文書の目的とは?

工事注文書を作成する目的は、大きく分けて2つあります。

工事発注の意思を示す

工事注文書を作る目的の1つ目は、取引先に対して「工事を発注します」という意思を示すためです。
工事の受注者は、発注者から工事注文書を受け取ることによって、正式な依頼であるとして業務に臨めます。

認識のずれを防ぐ

2つ目の目的は、受発注者間の認識のずれを防ぐためです。

口約束のみの受発注ではあいまいさが残り、後から「言った」「言わない」のトラブルに発展するかもしれません。
しかし、工事注文書によって工事内容の詳細を書面に残しておけば、発注者と受注者の間に生じる認識のずれを防止することが可能です。

建設業の工事注文書と工事注文請書、その違いは?

工事注文書と名前が似ていて紛らわしい書類の1つに、工事注文請書があります。
工事注文書と工事注文請書の違いは以下の通りです。

・注文書:発注者が注文の意思を示す書類
・注文請書:受注者が注文を引き受ける旨を示す書類

一般的に、注文書と注文請書はセットになっています。
受発注契約は注文書・注文請書2種類の書類の取り交わしによって成立するため、違いを押さえておくとよいでしょう。

建設業の工事注文書の保管期間は?

法人の場合、工事注文書の保管期間は、確定申告の提出期限の翌日から7年間と定められています。
ただし、欠損金の発生する事業年度については10年の保管期間が義務づけられているため、注文書は10年間保管しておくのがおすすめです。

出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

なお、青色申告をしている個人事業主の場合、注文書を保管しなければならない期間は5年間です。
しかし、注文書以外の多くの書類では7年間の保管期間が定められています。
そのため、個人事業主の方は、注文書についても7年間保管しておくのが無難と言えます。

出典:記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁

また、工事注文書の保管は、原則として紙で行います。

電子契約を結んでいる場合でも、紙に印刷した上での保管が必要です。
紙ベースでの保管が必要な理由は、税務調査の発生時に、対応できるようにするためです。
ただし、税務署長の許可を事前に得ている場合には、電子契約書類のままで保管できます。

建設業の工事注文書の作成方法

ここでは、工事注文書に記載する内容や訂正方法、印紙の必要性についてご紹介します。

必ず記載すべき項目

工事注文書に必ず記載すべきなのは、以下の5項目です。

1. 書類作成者の氏名または名称
2. 取引年月日
3. 取引内容
4. 取引金額(税込)
5. 書類を受け取る取引先の氏名または名称

工事注文書を実際に作成する際には、取り引きを円滑に進めるため、上に挙げた項目のほかにも情報を記載します。
その他の記載項目については次にお伝えします。

その他の項目

一般的に、必須項目のほかに工事注文書に記載するのは以下の項目です。

・施工現場名…実際に工事を行う現場の名前
・納期…工事の期間
・支払期日…受注者に対して支払いを行う期日
・支払条件…受注者に支払いを行う条件(例:支払方法)
・発注明細…工事の具体的な内容など
・備考欄…補足事項や注意点など

トラブル発生を防ぐためにも、記載情報に抜け漏れのないよう注意しましょう。

注文書を訂正したい場合は?

工事注文書の発行に際して訂正したい部分が見つかった場合、原則は注文書の再発行が必要です。

しかし、何らかの理由によって再発行ができない場合には、二重線と印鑑を用いて訂正しましょう。
訂正に使う印鑑は、注文書に押印されている印鑑と同じものを用います。

なお、取引先によって、注文書の訂正方法に独自のルールを設けているケースがあります。
訂正の際には、取引先への確認を忘れないよう気をつけましょう。

注文書に印紙は必要?

印紙の必要性はケースバイケースです。
ここでは、基本的な3つのケースをご紹介します。

注文書を注文書としてのみ使うケース

工事注文書を注文書としてのみ使う場合(別途、注文請書を作成する場合)、印紙は不要です。

注文書を注文請書としても使うケース

工事注文書を注文請書としても使う場合、印紙が必要となる可能性があります。

契約金額が1万円(税抜)以上かつ電子契約でないケース

工事の契約金額が1万円(税抜)以上で、なおかつ電子契約でない場合には、注文書に印紙が必要です。

出典:工事注文書等|国税庁

建設業の工事注文書を作る際の注意点

工事注文書の作成時には、記載する本文は可能な限り短くしましょう。

例えば、「下記の通り注文申し上げます」「標記の件について注文いたします」のような文言は省くことをおすすめします。
長い文章が記載されていると、受注者は内容を分かりづらく感じるかもしれません。

工事注文書の本文は必要最低限の文章で問題ないため、シンプルに仕上げることを意識しましょう。

あとがき

工事発注の意思表示や、受発注者間の認識のずれ防止のために必要な工事注文書。
法人の場合は、工事注文書を7年間(欠損金が発生する場合は10年間)保管しておくよう税法で定められています。

また、注文書を注文請書としても使うかどうかという点や工事の契約金額によって、印紙の必要性は異なるため、ケースに応じて確認しましょう。
工事注文書作成の際には、ぜひ今回ご紹介した記載項目や注意点を参考にしてください。

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