C'Lab

建設事務の仕事について詳しく深掘り!役立つ資格や向いている人とは?

働き方

14
建築事務の業務を行う女性

建設業では、現場で活躍する作業員だけでなく、サポートをおこなう建設事務の存在が欠かせません。しかし、「建設事務は、何か特別な知識がないとできない仕事なのだろうか」と、不安や疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、建設事務について詳しく掘りさげ、仕事内容や向いている特徴などを分かりやすくまとめました。

建設事務ってどんな仕事?

建設事務とは、建設にまつわる事務作業に取り組む仕事です。建設事務の種類や仕事内容について見ていきましょう。

建設事務の大まかな種類

建設業の事務には様々な役割があり、大きく分けると次の4種類となっています。

1.総務
2.経理
3.営業事務
4.現場事務

まずは、他業種と同様に、物品の管理や保守などをおこなう「総務」が挙げられます。また、予算の管理などをおこなう「経理」も建設事務もあります。

この2つの共通点は、その企業全体に関わる業務が多いことです。そのため、業務は広範囲にわたり、会社運営のサポートという立場で仕事にあたることになります。

一方、後半の「営業事務」「現場事務」は、会社運営そのものよりも、会社の事業に関係する人たちをサポートするという立ち位置であるといえます。

建設業では、工事に関する書類や契約書などを多く作成する必要がありますが、これらのすべてを現場管理者等が単独で処理するのは非常に困難です。そのため、事務職がそれらの事務的な処理を代わりにおこない、現場で働く人たちが作業に集中して取り組めるようにする必要があります。

これらのことを踏まえて、企業全体に関わりたい場合には「総務」や「経理」を、最前線で働く人々のサポートを中心におこないたい場合には「営業事務」や「現場事務」を志望するのがおすすめです。

建設事務の主な仕事内容

建設業の事務といっても、他の業種の事務の仕事内容とそこまで大きな違いはありません。例えば次のような業務が、建設事務の主な仕事内容となります。

・電話・メール対応
・来客対応
・文房具やコピー用紙の補充
・伝票作成や帳簿転記
・決算処理
・請求書作成
・清掃

こうして見てみると、基本的なビジネススキル・パソコンスキルを持っていれば、建設事務として働くことは十分可能だといえます。

ただし、経理などをおこなう際には、建設業界ならではの知識やルールの理解が必要となってきます。また、建設業特有の届出をおこなうための書類作成も、他業種とは異なるポイントだといえるでしょう。

建設事務のメリット・デメリット

建設事務として働くことで得られるメリットやデメリットについてまとめました。

建設事務のメリット

まずはメリットを5つご紹介します。

達成感を味わえる

建設事務が着手するのは事務作業ですが、所属している会社では、工事などの案件をプロジェクトとして受注し、建設作業に取り組みます。大きなプロジェクトが完遂する様子を目の当たりにすることができるので、無事に案件が終わった時の達成感は、他業種では味わえない特別なものとなります。

安定した業界で働ける

建設業界は、都市開発やIoT化の推進などに積極的に取り組んでいる業界です。今後も更なる成長を期待できる、安定した業界であるといえるでしょう。そのような安定した業界で働けるということは、先行きの見えない時代には大きなメリットとなります。

CADオペレーターのスキルが身につく場合あり

事務のスキルだけではなく、パソコンで図面作成をおこなうCADの技術を身につけられることもあります。建設業界では、事務職とCADオペレーターを掛け持つ働き方も増えています。CADのスキルを得られるチャンスがあるのは、建設事務ならではのメリットだといえるでしょう。

プライベートとの両立がしやすい

建設業の職種の中でも、建設事務は自分のペースで仕事ができる職種です。急な依頼やトラブルが発生しない限り、業務のスケジュール管理がきちんとできていれば、残業になることは少ないでしょう。退勤時間の見通しを立てられるので、仕事とプライベートの両立がしやすいといえます。

建設事務のデメリット

建設事務として働く上で、デメリットとして挙げられるのは次の2つです。

職場の男女比に偏りがある

建設業界は、基本的には男性が多い職場です。そのため、「周囲で働く人が男性ばかりだと緊張してしまう」というような人にとっては、この点はデメリットになるでしょう。

しかし、近年は建設業界で働く女性も増えているため、状況は変わりつつあります。

また、視点を変えてみると、男性が多い職場というのは、女性特有のしがらみがない環境であるともいえます。女性の多い職場環境で悩んだ経験のある人にとっては、メリットにもなりえるのではないでしょうか。

短期では雇用されづらい

建設業界では長期の案件が多くなっているため、短期的な雇用は少ない傾向にあります。そのため、求人に応募する際には、少なくとも1年半~3年間は働くつもりでいる必要があるといえるでしょう。

ただし、企業によっては、建設事務の単発業務を募集しているケースもあります。短期の雇用を希望する場合は、採用担当者に相談してみるのがおすすめです。

建設事務に有益な資格・スキル

ここからは、建設事務の仕事に役立つ資格やスキルについてお伝えしていきます。

建設業経理検定試験

これは、建設業に関する会計知識とスキルに優れていることを証明できる資格です。建設業独自の会計ルールに沿って、会計処理や事務処理をおこなえるようになります。そのため、この資格を持っていると、建設業経理のプロフェッショナルと認識され、高い評価を得ることができるでしょう。

建設業経理事務士試験

こちらも、建設業の経理に関係する会計知識や会計処理能力が問われる試験です。建設業の会計処理には、他業種とは異なる特殊な部分が多いことと、建設業界用語が存在することから、高い専門性を持つ経理担当は重宝される傾向にあります。

【関連記事】「建設業経理士」は2級以下では意味がない?就職でのメリットと取得の方法を解説

日商簿記

日商簿記は簿記資格の王道で、建設事務の経理の業務に役立つ資格です。企業が提示する経理の必須資格になっていたり、昇進・昇格の評価基準や資格手当の対象になっていたりすることが多いため、取得しておいて損はない資格だといえます。

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産に関する専門知識を活かして、土地や建物の売買や取引をおこなうことのできる国家資格です。自社で建築や販売をおこなう大手の建設会社では、不動産取引の独占業務ができるこの資格が役立ちます。

基本のパソコンスキル

事務作業をおこなう上で、基本的なパソコンスキルはとても重要です。エクセル・ワード・メールの操作などに不安がある場合は、自己学習しておくのがおすすめです。

コミュニケーション能力

社内・社外を問わず、多くの人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていく建設事務。ひとりきりでおこなう業務ばかりではないので、円滑なコミュニケーション能力を持っておくことは、大切な要素です。

建設事務に向いている人とは?

建設事務に向いている人の代表的な特徴を3つご紹介します。

1.人と関わることが好き
2.細かい事務作業が得意
3.建築・土木への興味がある

建設事務は、建設作業員や他部署の社員、クライアント等と接することの多い職種です。様々な人とコミュニケーションを取りながら仕事をおこなうことが苦でない人は、建設事務に向いているといえます。

また、建設業では、各種届出等で細かな事務処理が必要となることがよくあります。細かい事務作業は手間や時間がかかるものなので、そのような作業が得意な人は、建設事務として活躍が期待できます。

そして、様々なものづくりをおこなう建設業界で働く上で、自社が手がけるプロジェクトに興味を持つことは重要なことです。建築・土木への興味がある人は、建設事務に向いているといえるでしょう。

あとがき

建設事務は現場をサポートする立場なので、作業員よりも目立たないと思われがちです。しかし、事業を進めるためには必要不可欠な存在。建築物の完成で達成感を得たり、多くの人とコミュニケーションを取りながら仕事をおこなったりと、いきいきと働くことのできる職種です。就職・転職を考える際の選択肢に、建設事務を含めてみてはいかがでしょうか。

14