建設業経理士検定2級は、他業種とはひと味違う建設業のお金の流れを、正確に記録するエキスパートです。
しかし、周囲に建設業経理士検定2級の受験経験者がいない場合、「資格を取得したいけれど、どれくらい勉強したらいいのか分からない」と困ってしまいますよね。
そこでこの記事では、建設業経理士検定2級の合格に必要な勉強時間の目安をお伝えします。
また、建設業経理士検定2級試験の出題形式・概要や、効率的に勉強するためのポイントもご紹介するので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
建設業経理士検定2級とは
建設業経理とは、建設業界で日々行われている「資材・機材を買う」「建物を売る」などの取引きや、会社内におけるお金の流れを記録する方法です。
建設業経理士2級は、「日商簿記検定3級よりも少し難しく、日商簿記検定試験2級よりはやさしい」と言われています。
本腰を入れて勉強すれば、無理なく合格できるレベルの資格と言えるでしょう。
ただし、取得人口は比較的少ないため、建設業界では重宝されます。
関連記事:建設業経理のエキスパート「建設業経理士」!業務範囲や活躍の場は?現場監督が取得するメリットはある?
建設業経理士検定2級に合格するための勉強時間は?
建設業経理2級に合格するために必要な学習時間は、そこまで多くはありません。
合格に必要な勉強時間の目安を、状況ごとにご紹介します。
完全に初学の場合
建設業経理を勉強するのが初めての場合は、余計な知識を持っていない分、テキストが比較的スムーズに頭に入ってくる傾向です。
そのため、試験までは2~4か月、時間にしてみれば80~100時間ほどの勉強時間を確保すると、合格圏内に達するでしょう。
日商簿記検定3級を学習済みの場合
日商簿記検定にどれくらい習熟しているかによって、必要な勉強時間は変わってきます。
日商簿記検定3級を学習したことがある場合、建設業経理士検定2級に合格するために必要な勉強時間は、2~3か月(50~60時間)です。
日商簿記検定2級を学習済みの場合
日商簿記検定2級の知識がある場合、1~2か月、具体的には20~30時間の勉強時間を確保すれば、建設業経理士検定2級の合格圏内に入れるでしょう。
建設業経理とほかの簿記には、勘定科目(お金や取引内容の性質を表現する「見出し」)などに違いがあります。
例えば、一般簿記では「売上高」と表現するところを、建設簿記では「完成工事高」とするなどです。
慣れるまでは違和感に悩むかもしれませんが、慣れたあとは素早く理解できるでしょう。
関連記事:建設事務の仕事について詳しく深掘り!役立つ資格や向いている人とは?
建設業経理士検定2級の出題形式と概要
建設業経理士検定2級の試験は、全5問形式です。
日商簿記検定と同じ出題形式なので、日商簿記検定の受験を経験したことのある方にとっては、なじみのある形式ではないでしょうか。
全5問の概要は以下の通りです。
第1問 |
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仕訳問題が出題されます。 |
第2問 |
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金額推定問題…計算問題全般が出題されます。 |
第3問 |
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原価計算に関連した問題…部門別・間接費が問われます。 |
第4問 |
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原価計算に関連した問題…理論と明細表などが問われます。 |
第5問 |
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精算表の作成問題が出題されます。 |
合格のために押さえておきたいポイント
建設業経理士検定2級に合格するために重要なのは、効率よく勉強することです。
ここでは、勉強する際に押さえておくべきポイントを4つ解説します。
ぜひ試験勉強の参考にしてください。
「目」のみの勉強は避ける
「目」のみの勉強とは、目でテキストを読むだけで手は動かさない、いわゆる頭の中だけの勉強を指します。
出題範囲を頭の中だけで理解していても、試験の本番では問題を解けないケースがほとんどです。
理解できていると感じる場合でも、実際に手を動かして問題を解き、電卓を叩くことが大切です。
「ノートづくり」のみで満足しないようにする
ノートをつくっただけで「勉強した」という気分になる人は少なくありません。
しかし、「ノートづくり」で満足してしまうのはとても危険です。
作業のわりに、実は知識が身についていない場合が多いのです。
また、自分で1から10の出題内容をまとめてノートをつくるのは効率がよくありません。
市販されているテキストには、建設業経理士検定2級の内容がある程度まとまっています。
メモしておきたい内容はテキストの余白に書き込むようにして、ノートづくりの作業はできるだけ減らしましょう。
また、ノートづくりは、「何度も繰り返し間違えてしまうところ」や「すぐに忘れてしまうこと」のみに限定するのがおすすめです。
ノートをつくる作業を減らすことで、勉強はグンとはかどります。
問題演習を繰り返す
建設業経理士検定2級に合格できるかどうかのカギは、問題演習を繰り返した数にかかっています。
建設業経理士検定2級の試験で出題される問題の一つひとつは、そこまで難易度の高いものではありません。
しかし、問題演習を繰り返すことに手を抜いてしまえば、合格は遠のきます。
「絶対に間違えない自信がある」という問題は除き、ほんの少しでも不安がある場合は、文字通り何度でも繰り返して演習しましょう。
テキストや過去問の解答用紙は1~3枚ほどコピーするなどの方法を取り、何度も使います。
問題演習の数をこなすことで、確実に力がついていきますよ。
スキマ時間を活用する
建設業経理士検定2級の勉強全体に言えることですが、スキマ時間をとことん活用して勉強にあてましょう。
特に建設業経理士検定2級の第1問の仕訳問題に関しては、外出先でも勉強できる場合があります。
出先や通勤中のちょっとした時間に問題を解き、理解を深めましょう。
あとがき
建設業経理士検定2級は、日商簿記検定を勉強した経験を持っている場合は、特に取得しやすい資格です。
初めて学習する方でも、2~4か月(80~100時間)ほど勉強することで、十分に合格圏内まで達せます。
建設業経理士検定2級の資格保有者は建設業界で重宝されるため、スキルアップに興味のある場合はぜひ挑戦してみてください。