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建設会社の営業力を強化│売り上げを伸ばすため必要な施策とは?

建築コラム

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建設業のものづくりは、まず、建設会社の営業マンが仕事を取って来るところから始まります。会社に優れた技術やノウハウがあっても、営業が上手くいかなければそれを活かすことができず、売り上げも上がりません。本記事では、建設会社が営業力を強化するために必要な施策を考えていきます。

売上は営業マン次第?

営業の成果は、個々の営業マンの資質や努力によるところもあります。しかし、以下の理由から、近年では営業マンの能力だけに依存せず会社としても何かしらの働きかけを行う必要性が高まっています。

建設需要の落ち込み

国土交通省は令和2年の建設需要について、以下のように発表しています。

■新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で減少となった。
■民間非居住建築物着工は、倉庫は増加したが,事務所,店舗及び工場が減少したため,全体で減少となった。
国土交通省│建築着工統計調査報告

新設住宅の着工が減少した要因としては、コロナ禍による将来不安、未婚率の増加、出生率の低下、若年層の人口減少などが考えられます。民間非居住建築物の着工が減少した要因としては、コロナ禍による企業の業績悪化や、リモートワークの推進により事務所や営業所が不要になったことが考えられます。コロナ禍の影響は一時的なものですが、少子化、若年層人口の減少、リモートワークの増加などについては、今後も建築物の着工数に影響を与え続けることが予想されます。時代の変化という大きな敵に、営業マン一人ひとりが単騎で立ち向かうのは苦しい戦いです。

人手不足・離職率の高さ

厚生労働省の資料によれば、平成30年における「不動産業,物品賃貸業」の離職率は13.7%と、離職率がやや高い傾向となっています。

厚生労働省│平成 30 年雇用動向調査結果の概況

建設業の離職率が高い理由を営業職に絞って考えると、次のものが考えられます。

■仕事がきつい
建設は扱う商材の金額が大きく、個人のライフプランや企業の経営にも重大な影響を与えます。買い手側にとっては、どうしても慎重にならざるを得ません。そのため、営業マンは相手先の信頼を得るために客先に何度も足を運んだり、相手の相談や要望には時間を問わず対応するなど、一件の契約を取るために大変な時間と労力を割くことになります。

■結果が出せない苦しさ
建設業の営業は、前述の通りそもそも成約に至るまでが難しい仕事です。そこへ需要が低下したことで、営業マンは今まで以上に苦しい状況に置かれています。契約が取れない、結果が出せないことによる心身のストレスが、離職率の高さにつながっています。

建設業界全体がこういった課題を抱える中で、会社の売り上げを個々の営業マンの資質や努力に依存するのには限界があると思われます。

営業マンが成果を上げるために会社ができることは?

上記の理由から、売り上げを伸ばすためには、会社としても営業マンがより成果を上げやすいようにするための施策を行う必要があります。考えられるものとして、営業マンのスキル向上や営業に関する情報の管理体制の構築などがあります。以下、順に見ていきます。

営業マンのスキル向上

「結局最後は人」とも言われるように、ターゲットから見た営業マンの印象や話し方などは、契約の成否に大きな影響を与えます。また、ターゲットに納得し、契約に進んでもらうためには、自社の商材やサービスについて、わかりやすくかつ論理的に説明する能力も必要になります。

こういった営業マンの基本的な能力については「実地で、経験から学んでいく」という考え方もあるかと思います。しかし、冒頭で述べたような建設営業の苦しい現状を考えると、今はなるべく早く、効率よく営業マンを育てなければ、スキルが身につく前に人材がどんどん辞めてしまい、いつまで経っても営業マンが育たないというリスクがあります。

また、営業マンはいわば会社の「顔」です。社内全体のスキルを底上げし一定のレベルを担保できれば、「あの会社の人は信頼できる」と会社全体のイメージアップにつながり、その結果個々の案件についても、より成果を出しやすくなります。

営業マンのスキルを底上げするには、マニュアルの配布や社内研修を行う他、e-ラーニングの導入、社外の研修機関に委託するなどの方法があります。

営業に関する情報の管理体制の構築

営業マンの印象や人柄に加え、営業で成果を上げるためには情報がとても重要です。ターゲットとの信頼関係を築くためには、まずは相手のことを知る必要があります。また、商材やサービスを勧める際はターゲットにメリットを説明するのが一般的ですが、その場合も一般論で話をするより、ターゲットに関する情報を充実させた上で具体的な話ができた方が、成約につながる可能性は高まります。

例えば、地主にアパートの建築を持ち掛けるに当たり、「安定した家賃収入が得られます」という説明をするとします。ターゲットがもともと副収入に興味がある場合を除き、これだけの抽象的な説明では、たいていの人は、それが自分にとって本当に良いことなのかいまいちピンときません。

そこで、まずはターゲットに関する情報を集め、分析し、何が相手にとって一番強力なメリットになり得るかを検討します。例えば、年齢や職業、家族構成などから地主が定年退職を控え年金生活に不安を感じているということがわかれば、上記の説明に加え「安定した家賃収入によって、お仕事をリタイアされた後もよりゆとりのある暮らしを楽しんでいただけます」と相手の事情を織り込んだ、より具体的な話をすることができます。すると、「自分に関係のある話題」がターゲットが提案に興味を持つフックになり、また、メリットを具体的に伝えることで、ターゲットはそれを享受する自分をイメージしやすくなります。

しかし、大勢いるターゲットの情報を営業マンが個人で管理するとなると、事務負担が大きく、また管理漏れなどにより肝心のときに必要な情報が活かせない可能性があります。そこでターゲットのプロフィールや交渉の進捗などを簡単かつシステマティックに保存・管理できる体制を会社が構築する必要があります。

営業管理システムまたは顧客管理システムを導入すると、営業に必要な情報管理をより手軽に行うことができます。

■SFA(セールスフォースオートメーション)=営業支援システム
顧客(ターゲット)の情報や案件の進捗など、営業に必要な情報を一括管理するシステムです。顧客管理、案件管理、営業マンの行動管理、レポート管理などができ、営業活動の効率化と営業マンのスキル底上げに役立ちます。

■CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)=顧客管理システム
顧客(ターゲット)の情報の管理に特化したシステムです。顧客の志向性など、コアな情報まで管理することができ、顧客との関係性構築に役立ちます。

まとめ

会社全体の営業力を向上させる施策を行うことで、会社の売上アップの他、優秀な営業マンの離職防止や、更なるノウハウの蓄積などが期待できます。営業マンにパフォーマンスを最大限発揮してもらうためにも、それを会社がバックアップする体制が必要です。