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レインボーブリッジはいつ建設された?手がけた建設会社や建設プロセスなど、徹底調査!

建築コラム

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レインボーブリッジはいつ建設された?手がけた建設会社は?建設プロセスは?

ドライブや観光スポットとしてよく知られているレインボーブリッジ。そこから得られる美しい眺めや、ロマンチックなライトアップが印象的で、ドラマや映画の舞台としてもたびたび登場していますよね。

「そういえば、レインボーブリッジはいつ建設されたのかな?」
「レインボーブリッジをつくったのはどんな建設会社?」

この記事では、あなたのそんな疑問にお答えすべく、レインボーブリッジのあらましや建設された時期、主な建設会社などについて徹底調査した内容をお伝えしちゃいます!

レインボーブリッジのあらまし

レインボーブリッジは、東京湾の上にたたずむ吊り橋(つりばし)です。吊り橋とは、さまざまな橋の形の中の1つで、張力で橋の床をつり下げ、支える形式のもの。東京都の港区芝浦地区と台場地区(港区台場および江東区有明)、つまり都心と臨海副都心を結んでいるのが、レインボーブリッジです。

さまざまな視点から楽しめるレインボーブリッジ

二重の構造をもち、複合的な交通施設であるレインボーブリッジ。上の層には首都高速11号台場線が通っていて、お台場方面と東京都心方面へ移動する車の、重要な交通ポイントとなっています。また、下の層には無料で通行できる遊歩道や、新交通ゆりかもめのレールがあります。

レインボーブリッジは、公共交通・徒歩・車とさまざまな視点からお台場の街並みを楽しむことができるスポットなのです。

実はレインボーブリッジは愛称だった

レインボーブリッジという名前で親しまれていますが、これは実は愛称で、正式な名前は「東京港連絡橋」といいます。

「東京の海の玄関にふさわしい真っ白な橋の名づけ親になってください」

レインボーブリッジの名づけ親|首都高ドライバーズサイト

このキャッチコピーによって愛称が一般公募され、応募総数なんと20,023通の中から選ばれたのが、レインボーブリッジという名前だったそうです。

レインボーブリッジが建設されたのはいつ?

レインボーブリッジは、東京港の新しいシンボルとして、また開発が進む臨海副都心と都心をつなぐ架け橋として建設されました。

着工は1987(昭和62)年の1月。6年半の歳月をかけて建設され、1993(平成5)年に竣工。同年8月にオープンしました。

開通した8月26日はあいにくの雨模様だったそうですが、レインボーブリッジは輝かしく東京湾デビューを果たしたのでした。

レインボーブリッジを手がけた建設会社は?

レインボーブリッジを主に手がけた建設会社は、五洋建設株式会社です。 五洋建設は海洋土木トップの企業で、創業地は広島県呉市。

五洋建設株式会社

戦時中に呉港の港湾土木工事を手がけ、技術をつちかいました。戦後はこの技術を生かして海外にも進出。エジプトのスエズ運河の改修工事や、シンガポールの総合芸術文化施設「エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ」の建設なども行っています。

国内では、レインボーブリッジ以外にも、東京湾岸再開発、関西新空港など、近年の臨海部大型プロジェクトを手がけてきました。

レインボーブリッジ建設のプロセス

レインボーブリッジがたたずむのは、陸・海・空の重要な交通ポイントである東京港周辺です。その特別な立地のため、設計や工法には多くの制約が存在しました。

レインボーブリッジ建設に立ちはだかった制約

レインボーブリッジの建設にあたって浮かび上がってきた制約の1つには、主塔の高さの問題がありました。建設立地が羽田空港の近くであったため、主塔の高さに制限があったのです。

また、レインボーブリッジの橋の形にも工夫が必要でした。入り組んだ形の東京湾内を大型船が通行できるように、船の航路の幅を確保しなければならなかったのです。数々の検討を経て、吊り橋(つりばし)という形が選ばれました。

レインボーブリッジの建設過程

レインボーブリッジが建設されたプロセスを簡単にご紹介します。

1.基礎工事

主塔の基礎は、「ニューマチックケーソン工法」もしくは「潜函(せんかん)工法」と呼ばれる方式で設置されました。

ニューマチックケーソン工法は、空のコップを逆さまにして沈めるとコップの中に水が入ってこないという原理を利用した工法です。

ニューマチックケーソン工法とは|首都高ドライバーズサイト

2.アンカレイジ工事

アンカレイジとは、吊り橋(つりばし)の翼となるメイ ンケーブルを固定させるための、巨大なブロックのことです。アンカーブロック、橋台ともいいます。

3.主塔・側塔工事

レインボーブリッジの主塔は、首都高道路面より上には、最上部まで水平で何もない形としてつくられました。これは、景観のよさを際立たせるためだそうです。

4.ケーブル工事

はじめに作業用の通路がつくられ、その後にケーブルが次々と渡されていきました。

5.補剛桁(ほごうげた)工事

補剛桁(ほごうげた)とは、橋の床などの通行部分に、剛性補強の目的で設置される桁のことです。2つの主塔を基点として、道路となる場所がかけわたされました。

6.付属施設等

最後に、東京湾を鮮やかに彩るライトアップのための照明や、高速道路の安全を守るための施設などが設置されました。

あとがき

今回は、レインボーブリッジの建設にまつわる内容を中心にお伝えしてきました。

着工から6年半もの年月をかけてつくられたレインボーブリッジには、多くの工夫や思いが込められていることがわかりました。

東京のシンボルとして多くの人に愛されつづけているレインボーブリッジですが、「いつ、どうやって建設されたのか」という視点から見てみると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。

東京湾を観光やデートで訪れたりメディアで触れたりした際には、レインボーブリッジの建設ステップにも思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

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