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よく分かるLGS(軽天)!規格や施工のステップなど、必須知識まとめ

建築コラム

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よく分かるLGS(軽天)

現場でよく聞く「LGS(軽天)」は、内装工事のツボと言っても過言ではありません。
LGSに関する知識は、建設業においては必ず押さえておきたいポイントです。

そこで今回は、LGSの基本情報や木材との比較、LGS施工(軽天工事)の工程について分かりやすくご紹介します。
現場ですぐに使える情報をまとめたので、ぜひ参考にして業務に役立ててください!

LGS(軽天)の基本情報!

まずはLGSの意味や規格、構成といった基本的な情報をお伝えします。

LGS(軽天)とは

LGSは「Light Gauge Steel(ライト・ゲージ・スティール)」の略語で、「軽い規格の鉄骨」という意味の用語です。
軽量鉄骨や軽鉄、軽天とも呼ばれるLGSは、内装工事に使われる材料です。

LGSを用いて天井や壁の下地(骨組み)を作る作業は金属工事に分類されますが、多くの現場では「軽天工事」と呼ばれています。
軽天工事という呼び方は、軽い鉄を床から天井まで施工する工事内容に由来します。

LGS(軽天)の規格

LGSの規格(寸法や形状など)には、JIS規格(日本産業規格)やメーカー基準によって異なる、さまざまな種類があります。

天井と壁に使われるLGSのJIS規格は「JIS A 6517」にて定められていて、寸法・板厚・試験方法が決められています。
天井と壁のいずれについても、用途や現場の条件に応じて、異なるサイズの部材の使い分けが必要です。

LGSのJIS規格品の例を以下に挙げます。

・50型…10mm × 45mm × 50mm(厚みは0.8mm)
・65型…10mm × 45mm × 65mm(厚みは0.8mm)
・75型…10mm × 45mm × 75mm(厚みは0.8mm)
・90型…10mm × 45mm × 90mm(厚みは0.8mm)
・100型…10mm × 45mm × 100mm(厚みは0.8mm)

建物の天井が高いほどLGSのサイズが大きくなり、天井が低いほどLGSのサイズが小さくなります。

LGS(軽天)の構成

LGSはスタッド(間柱)とランナー(土台)で構成されています。
簡単に言うと、スタッドは縦部分、ランナーは横部分を支えるイメージです。

LGS=スタッド+ランナー

上記のように覚えると分かりやすいでしょう。

LGS(軽天)と木材の比較まとめ

木材は、LGSと同様に内装工事でよく使われる材料です。
LGSと木材の2つの材料を、重量・施工性・耐久性・生産性・供給性・コストの観点から比較します。

重量

2つの部材のうちより軽いのは、木材よりもLGSのほうです。
そのため、LGSのほうが搬入を容易に行うことができ、建物の床に載る重量は少なくなります。

施工性

LGSは規格で材料をそろえてシステマチックに施工できるため、木材よりも工期の短縮が期待できます
しかし、木材のように薄い材料を重ねたり、部分的に加工したりするのは難しく、現場での調整はしづらい傾向です。

耐久性

腐りにくさや燃えにくさなどの耐久性でLGSと木材を比べると、LGSに軍配が上がります

生産性・供給性

工業製品であるLGSは、環境変化による影響を受けにくく、比較的供給が安定しています
一方、自然素材である木材は、反りや曲がり、湿気による膨張や縮み、変形や割れが発生しやすい性質があるため、生産・供給面では不安定です。

コスト

LGSと木材の価格に大きな差はありません。
ただし、LGSの場合はLGS専門の業者が必要となるため、その分のコストがかかります。

LGS(軽天)施工の5ステップ

ここでは、壁のLGS施工(軽天工事)の工程を5つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1. 事前準備(墨出し)

LGS施工の事前準備として、レイアウト図に沿って墨出し(床と天井に印をつける)作業をします。
墨出し作業の時点で最終的な微調整を行います。

ステップ2. LGSで骨組み

微調整が済んだ後は、LGSで床から天井まで骨組みを立てます。

ステップ3. ボード工事

LGSの骨組みに、石膏ボード(PBやプラスターボードとも言う)を貼ります。
遮音や結露対策のために、中に断熱材(グラスウール)を埋め込むことも可能です。

その後、石膏ボード同士のつなぎ目をなくすため、パテを塗って壁を平らに整えます。
平らに整えなかった場合、壁紙を貼った時に浮いてしまって仕上がりが悪くなるため、丁寧な作業が必要です。

ステップ4. 配線加工

壁には照明スイッチや電話、インターネットの配線を施します。
そのため、石膏ボードを完全に閉じる前に、各種配線をボード内に埋め込みます。
また、配線の出し口部分については事前にボードに穴を開けておく必要があるため、注意しましょう。

ステップ5. 仕上げ

壁の下地が整った後は、見栄えをよくするために壁紙を貼ったり塗装をしたりして仕上げます。
以上で壁のLGS施工(軽天工事)は完了です。

LGS(軽天)の魅力

LGS施工の仕上げで使う壁面材はとても豊富にあるため、さまざまなデザインを楽しめるのが魅力です。

木目調で落ち着いた印象の壁に仕上げたり、建物のコンセプトに合ったカラーの壁紙やタイルを貼ったりして、自由な内装を実現できます。

あとがき

今回は、LGSの概要や木材との比較、LGS施工(軽天工事)についてお伝えしてきました。
LGSは軽量で耐久性に優れ、安定した供給を期待できる部材です。

システム的に施工できるLGSは、マンションや店舗、オフィスなどで多く使われています。
この記事でご紹介したLGSにまつわる情報が、施工の参考になれば幸いです。

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