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新卒採用│建設業の採用力を上げる!業界の推すべき魅力とおすすめの採用手法とは?

建築コラム

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新卒採用

毎年の新卒採用において、「学生の応募が少ない」「人気業界や有名企業には勝てない」などのお悩みはないでしょうか。確かに、新卒採用では一部の人気業界や有名企業に応募が集中しがちです。しかしそれは、必ずしも学生のブランド志向が強いからだけではなく、実は「それしか知らないだけ」という側面も意外にあります。裏を返せば、採用力を強化し就活生に自社の魅力をしっかり伝えることができれば、業界や企業規模などを問わず、学生を集めることは可能なのです。
この記事では、採用力の考え方と、その二本柱である学生が企業に求めるものおよび新しい時代の採用手法を紹介します。

採用力とは

採用力とは、簡単に言うと、企業が就活生を惹きつける力のことです。自社の魅力をアピールする力とも言えます。

では、具体的にどのような企業の採用力が高いと言えるのでしょうか。企業の採用力は、次の二つの要素が相まって決まります。

① 企業そのものの魅力(学生目線での魅力)
② PRや採用活動を通して学生にアプローチする力

特に、世の中の変化や情報社会の進歩などにより企業の採用活動が多様化した結果、近年は企業そのもののイメージや事業内容だけでなく、企業の打ち出す採用手法も学生が企業を評価する大事な要素となっています。

魅力のある企業とは?

学生が企業に求めるもの

新卒採用において魅力のある会社とは、要するに「学生が企業に求めるもの」を持っている会社です。

では、学生は企業にどんなことを期待し、求めているのでしょうか。流行や世情により多少前後しますが、学生が企業を選択する際に重視する項目としては主に次のものがあり、大きく二つに分類できます。

① 企業や事業の持つ魅力・イメージにかかわるもの
・安定した会社で働きたい
・自分のやりたい仕事(職種)ができる会社がいい
・有名企業で働きたい
・世の中の役に立つ仕事がしたい
・将来性のある会社で働きたい
・理念やビジョンに共感できる会社で働きたい

② 労働条件・労働環境にかかわるもの
・給料が高い
・社内の雰囲気が良い
・休日が多い
・教育・研修の体制が整っている
・年功序列でなく実力で昇進のチャンスがある

参考:株式会社i-plug│就活生の「企業の魅力と働き方」に関する意識調査アンケート
参考:マイナビ2022年卒大学生就職意識調査

他社事例から見る建設業の魅力

もちろん、上記の項目を全て網羅するのは現実的ではありません。また、何もかもをアピールしようとすると、かえって「散らかっている」印象にもなってしまいます。企業の採用力を高めるためには、就活生にとって自社のどの部分が一番魅力的に写るのかを、客観的に分析することが重要です。

では、学生に響く建設業の魅力とは何でしょうか。業界および企業の魅力をうまく打ち出している例として、奥村組と大成建設、2社のイメージ戦略を紹介します。

① 奥村組:雰囲気の良さが伝わる
前述した「学生が企業に求めるもの」の項目のうち、時代の変化とともに順位が上がって来たものとして、「社内の雰囲気が良い」があります。
奥村組は、「奥村くみ」という若手社員が建設業界で働く様子をストーリー仕立てのショート動画にし自社サイトで公開する他、テレビCMとしても放映しています。明るい世界観と、学生から見て親近感のあるキャラクターが楽しそうにのびのび働く様子から、「社内の雰囲気が良い」という企業の魅力がありありと伝わってきます。
奥村組CMギャラリー

② 大成建設:建設業のやりがいを最大限アピール!
学生が企業に求めるもののうち、企業や事業の魅力にかかわるものの中では「世の中の役に立つ仕事がしたい(社会貢献度が高い)」が注目を集めています。建設業はまさに「世の中の役に立つ仕事」です。そこをうまく伝えることができれば、就活生の好感度を大きく上げることができるでしょう。
大成建設の採用サイトでは、「地図に残る仕事。」というキャッチコピーで、建設業の魅力とやりがいを端的ながら効果的に伝えています。
また、新海誠さんが監督を務めるテレビCMでは、大成建設の施工管理スタッフが世界各国の現場で現地の人々のために奮闘する様子を描いています。このCMでは、自分たちの作るトンネル、空港、道路、病院などの建設物がこの先もずっと誰かの役に立ち続けるという建設のやりがいと、建設がグローバルに世の中の役に立てる仕事であることを力強く表現しています。
「同級会には行けません。いま、シンガポールにいます。」というフレーズはネットでも有名ですが、この台詞からも、主人公である施工管理の女性が、自分の仕事に確固たる夢と誇りを持っていることが感じられます。
大成建設採用情報サイト
大成建設テレビCM

テレビCMの紹介が続きましたが、必ずしもCMをお勧めしたいわけではありません。大切なのは、自社の魅力を客観的に分析し、学生が求めるものとすり合わせて、ピックアップして伝えるということです。

採用力を上げる新しい採用手法

次に、自社の魅力を効果的に伝えるには、どうすれば良いのでしょうか。企業、学生の双方に人気が上昇している新しい採用手法をご紹介します。

SNSの活用

新しい採用手法として代表的なのは、Twitter や Instagramなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用した「ソーシャルリクルーティング」です。

SNSによる採用活動は就活生にとってとっつきやすく、また、企業と学生との双方向のコミュニケーションが可能である点で、好感度の高い手法です。企業目線でも、こまめな情報発信を通じて学生に企業風土や職場の雰囲気を身近に感じてもらうことができ、親近感をもってもらいやすいというメリットがあります。

第一生命保険株式会社は、職場の様子を写真や動画つきでアップする、前年度内定者の一問一答を公開するなどSNSを活用した採用活動を行い、「大学生が選んだ『新卒採用力』ランキング」、Webメール・SNSランキング1位を獲得しました。

株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース調べ│大学生が選んだ『新卒採用力』ランキング

第一生命保険のSNSを使った採用手法は、建設業界においても大いに参考になります。

リファラル採用

他にも、効率的な新卒採用の手法として注目されているものに、リファラル採用があります。リファラル採用とは、社員が大学の後輩などの知り合いに声を掛けて、選考を受けてもらう採用のしかたです。

関係者の紹介という点でいわゆるコネ採用と一見似ていますが、選考の過程が介在し、人材の質が保証されるという点でコネ採用とは大きく異なります。

リファラル採用では、人と人とのつながりを活用することで,就活生に対し、自社の魅力や社風を直接、より効果的に伝えることができます。また、社員がリクルーターの役割を担うため、求人広告や人材紹介に委託する場合に比べ、大幅に採用費を削減できるというメリットもあります。

リファラル採用に特化した採用サービスやアプリもリリースされており、新卒採用におけるリファラル採用は今後も増えると思われます。

会食スタイルのカジュアル面談

会社の社長や人事が学生との会食(またはマンツーマン)をセッティングし、食事をしながら話をします。選考前のカジュアルな面談として位置づけられる場合もありますし、選考過程として組み込まれる場合もあります。通常の面接よりも自然体で話ができるため、お互いの社風や人物像、考え方などが伝わりやすいという利点があります。

現在こういったサービスは閉じているところが多いですが、コロナ禍の収束にともない、こういった採用手法も復活していくと思われます。

社長めし
新卒を募集する企業の社長と就活生との食事会をセッティングするサービスです。

まとめ

建設業が新卒採用における採用力を上げるには、次の2点が重要です。

① 学生のニーズにマッチする自社の魅力を見つける
② 新しい採用手法を活用するなど、①の魅力を伝える工夫をする

2022年3月1日から、2023年卒の新卒採用へ向けた企業の広報活動が解禁されます。この機会にぜひ、自社の魅力を再発見し、新しい採用手法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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