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建設業法の基礎知識と、2020年度の改正点を解説!

建築コラム

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イマイチわからない建設業の法律基礎知識2020年度改正点まるっと解説

建設業界で仕事をする方、建設会社に仕事を依頼する方にとって建設業法は大切な法律です。具体的にどのような内容で、どのように関りがあるのかよく分からない。そんな方のために、建設業法の基礎知識と、2020年度の改正点を解説します。

建設業法の概要

建設業法とは、建設を行う際の法律が定めた決まり事です。第1章でその目的や定義が記載されており、以下のように全部で第8章まであります。

第1章 総則
第2章 建設業の許可
第3章 建設工事の請負契約
第4章 施工技術の確保
第5章 監督
第6章 中央建設業審議会等
第7章 雑則
第8章 罰則

建設業法|法令リード

建設業法は、契約上のことや許可関連のことだけではなく、実際の施工内容についても網羅しています。建設業に携わる方、全員にとって関りの大きい法律です。

建設業法の目的

では、具体的に建設業法はどのような目的を持った法律なのでしょうか。それは第1章の冒頭で記されています。

(目的)
第1条 この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによつて、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

建設業法|法令リード

つまり、建設業法の目的には以下の2つのポイントがあります。
1.建設業者の資質を向上させること
2.建設工事の請負契約の適正化を図ること

それにより、施主であり発注者を守り、公共の福祉の増進につなげるというわけです。

建設業法により保護されているのは、発注者だけではありません。第3章の内容は「建設工事の請負契約」であり、立場が弱くなりがちの下請け業者も保護されています

建設業法の対象となる工事、ならない工事

建設業法の対象となる建設工事は全部で29業種です。
土木工事業、建築工事業、大工工事業、左官工事業、舗装工事業、電気工事業、板金工事業、防水工事業など、住宅、施設、インフラ、あらゆる工事が対象になっています。

ほとんどの工事が網羅されているものの、29業種でありながら、以下のような場合は、建設業法の対象となりません。

・建設許可のいらない金額の工事のみを行っている場合
建設業法の対象となる工事の場合、国土交通大臣や都道府県知事から建設許可を得る必要があります。しかし、500万円以下の工事のみを請負っている企業の工事の場合は、その必要はなく、建設業法の対象になりません。

また、建築一式工事で1500万円以下の工事のみ行っている場合も、建設業法対象外となります

自社で工事したものを自社で使用する場合
自社で工事したものを自社で使用する場合は、建設業法対象外となります。例えば、宅地建物取引業者による建売住宅の場合がそうです。

建設に関わる工事でも対象外の場合もあ
例えば道路の除雪、建設現場の残土の運搬などは、建設業法の29業種と関りがありますが、それらは対象外です。

建設業法の改正 2020年度10月の改正について

建設業法を把握する上で、もう1つ大切な点、それは建設業法は国内の状況や建設業界の問題点に合わせて時々見直され、改正されるということです。直近では2020年10月に改正されています。

2020年度10月に行われた改正の目的

国土交通省では改正の背景を以下のように伝えています。

建設業においては、長時間労働が常態化していることから、工期の適正化などを通じた「建設業の働き方改革」を促進する必要があります。
また、現場の急速な高齢化と若者離れが進んでいることから、限りある人材の有効活用などを通じた「建設現場の生産性の向上」を促進する必要があります。
さらに、平時におけるインフラの整備のみならず、災害時においてその地域における復旧・復興を担うなど「地域の守り手」として活躍する建設業者が今後とも活躍し続けることができるよう事業環境を確保する必要があります。
このため、「建設業の働き方改革の促進」「建設現場の生産性の向上」「持続可能な事業環境の確保」の観点から、建設業法・入契法を改正しました。

建設業法、入契法の改正について|国土交通省

つまり、建設業における問題点として「長時間労働」「人材不足」を指摘しており、「働き方改革の促進」「生産性の向上」を図りたいとしています。

また、建設業は生活に欠かせないインフラのみならず、万が一の災害の際は復旧・復興を担う重要な産業です。常に「持続可能な事業環境の確保」が必要です。

2020年度10月に行われた改正内容

2020年度10月の建設業法の改正では、具体的にはどのように内容が変わったのでしょうか。3つのポイントに沿ってご紹介します。

1.働き方の改善
まず常態化している長時間労働の原因である、著しく短い工期での契約が禁止され、工事発注者は、十分な工期と施工期間の確保することが努力義務化されました。

現場への処遇改善のため、社会保険加入を要件化、下請けに対して労務費相当分を現金払いすることを義務化しています。

2.生産性向上
元請けの監理技術者を補佐する技士補の制度を創設。それにより、監理技術者は複数の現場を兼任可能に。また、二次下請業者以降に関して、ある一定の要件を満たせば主任技術者を置く必要もなくなりました

3.持続可能な事業環境の確保
今までは、5年以上の経験がないと、建設業経営役員にはなれませんでしたが、「事業者全体として適切な経営管理責任体制を求める」に改正されました。

これまで建設業において譲渡や会社の合併、分割を行った場合、新たに建設業の許可を得るようで、それによりスムーズに業務が行えないという問題点がありました。そのことに対し、事前に認可の手続きを行うことが可能になりました。

あとがき

建設業法は建設業に携わる方はもちろん、発注者となる一般の消費者まで、影響が大きい法律といえます。時代の流れや業界の問題点に合わせて改正も行われるので、常に注視することが大切です。