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建設スタートアップって何?革新的な技術やサービスを生かし、建設業界の課題を解決する!

建築コラム

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建設スタートアップ 建設業界の課題を解決する

近ごろ、建設業の周辺では、「建設スタートアップ」と呼ばれる企業が波を起こしているようです。

建設スタートアップとは一体何なのでしょうか。実はここに、建設業界が抱える、人手不足をはじめとした課題を解決するヒントが隠されています。

この記事では、建設スタートアップの概要や背景、期待される役割についてご紹介します。

建設スタートアップとは何なのか

そもそも、スタートアップとは何をあらわす言葉なのでしょうか。また、よく耳にするベンチャーとの違いはあるのでしょうか。

建設スタートアップとは

スタートアップを一言で言いあらわすことは難しいのですが、要素の1つとして挙げられるのは、創業してから間もない企業である、ということです。一般的には、創業から数年までの企業に対して使われることが多い用語であるようです。

ただし、どのような企業をスタートアップと呼ぶのか、実ははっきりとした定義づけはされておらず、言葉を使う人によって、そのニュアンスは少しずつ変わります。

しかし、ただの「新興企業」を指すのではなく、主に新しい市場やビジネスモデルに挑んでいる企業を指すことが多いようです。そのため通常は、創業から間もない既存企業の子会社や関連会社を指すことは少なく、市場を切りひらき、需要を生み出していく、「イノベーション(技術革新の)精神」を持つ企業のみを指します。

つまり、スタートアップとは、革新的な技術やサービスを生かして急成長をめざす企業のことであると言えます。

今、そうしたスタートアップ企業が建設の分野でも生まれ、活躍のフィールドを広げつつあります。

建設スタートアップと建設ベンチャーの違い

これまでの建設ベンチャーの例を挙げると、そのほとんどは、建設会社から独立した技術者が別の建設会社を設立し、新開発した材料や施工方法を売り物にするというものでした。

それに対して建設スタートアップは、ICT(情報通信技術)に詳しい技術者が創業し、企業間のマッチングや仕事の生産性向上を通じて、建設業の支援をめざしているのが大きな違いです。

各国に遅れて伸びてきた、日本の建設スタートアップ

IT技術で建設業界を革新させる動きは、2015年頃からアメリカを中心に加速してきました。その動きは、「Con-Teck」(以下、コンテック。Construction “建設”とTechnology“テクノロジー”を合わせた造語)と呼ばれています。

ロボットやAI(人工知能)、VR(バーチャル・リアリティー、仮想現実)――。このような最先端のIT技術を建設現場に生かすなど、スタートアップ(革新的な技術・サービスで急成長をめざす企業)が活躍し、各国の建設業界のイノベーション(技術革新)に役立ってきました。

一方、日本ではどのような状況なのでしょうか。

建設業界は50兆円を超える、とても大きな市場です。しかし、業界の複雑なつくりや、昔ながらの体制などから新しい企業が加わりにくいため、コンテックの動きはアメリカなどに遅れをとっていました。

しかし近年は、ITに強い建設スタートアップが次々と加わっています。その背景には、「アイ・コンストラクション」という、国土交通省による建設業界のICT(情報通信技術)化政策の後押しもあるようです。

事実、日本国内のスタートアップの資金調達の金額は右肩上がりに大きく伸びていて、億単位の資金を調達する建設スタートアップが相次いでいます。

2019年には、総合建設業の「株式会社カシワバラ・コーポレーション」が、建設専門のベンチャーキャピタルファンド(未公開の企業に投資を行うファンドの1種)の「JAPAN CON-TECH FUND」を開設。50億円を投資し、コンテックを進めようとしています。

建設スタートアップの技術・サービス

建設スタートアップの技術やサービスには、どのようなものがあるのでしょうか。主なもの5つをお伝えします。

・ドローン・レーザー: ドローンやレーザーの開発や測量・点検
・プロジェクトマネジメント:企画・設計・施工までの工事全体の過程を見える化
・センシング・IoT:センサーなどで現場のさまざまな情報をデータ化
・マーケットプレイス:インターネット上で建機・建材などを売買
・マッチングプラットフォーム:工事の受発注や現場と働く人などをマッチング

大手ゼネコンや建設会社が、建設スタートアップと協働・出資

建設スタートアップと協働・出資する大手ゼネコンや建設会社も増えています。例えば、安藤ハザマ、飛鳥建設、竹中工務店などです。

上に挙げた企業は、「アクセラレータープログラム」という、大手企業が新興企業を募集し、出資・支援しながら事業共創をめざすプログラムを行い、選抜された建設スタートアップとともに、新事業を創り出すことに注力しています。

建設スタートアップは、大手企業のように大規模な組織ではないからこそ、柔軟にフットワーク軽く課題に対応できるのも強みの1つです。大企業にとっても、スタートアップと力を合わせることで、事業の強化や新しいサービスを生み出すことができます。そのため、ともに大きな成長が期待できるのです。

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建設スタートアップに期待が寄せられる理由

建設スタートアップへ大きな期待が寄せられている理由は、業務の効率化や省人化、生産性の向上が求められているからだと考えられます。

慢性的な人手不足で、現場の技術者の高齢化も進んでいる建設業界。2025年には、約35万人~90万人もの技術者が不足するという予測もされているほどです。

これまでの建設業のイメージには「きつい」「危険」といったものも根強くあり、新しく建設業界に入ってくる若者が少ないことも人手不足の原因です。そのため、仕事の効率化や人の力を省くこと、また生産性を高めることが、喫緊の課題となっていました。

そうした状況の中、今までのやり方では思いつかないアイデアや視点で、最新のIT技術を使い、さまざまな課題を解決へと導く役割を期待できるのが、建設スタートアップです。

あとがき

この記事では、建設スタートアップについて詳しくお伝えしてきました。

今後も、建設業界の抱える課題やテクノロジーの発展と比例して、スタートアップの活躍の場が広まっていくことが予想されます。そして、その活躍が、建設業界の革新につながることは、間違いありません。

あなたの毎日の業務をよりよいものにするために、建設スタートアップに目を向けてみてはいかがでしょうか。

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