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建設ラッシュはいつまで続く? オリンピックとともには終わらない、日本の建設ラッシュ

建築コラム

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建設ラッシュ いつまで続く?

建設ラッシュと耳にしてすぐに思いつくのは、東京オリンピックではありませんか?

コロナの影響で開催が1年延期。しかし、さまざまな思いを抱えながらも、選手や関係者は熱戦をくり広げ、私たちに感動を与えてくれました。

そんなオリンピック・パラリンピックが、終了しました。では、建設ラッシュも同じく終わるのでしょうか? 実際は、建設ラッシュはまだ数年は続く見通しであると、各方面で考えられています。

この記事では、日本の建設ラッシュがいつまで続くのか、首都圏の建設ラッシュ・震災復興の建設ラッシュ・地方都市の建設ラッシュについての考察を中心にお伝えします。

あなたの建設業界でのお仕事をさらに順調なものにするために、参考になる情報をお届けします。

首都圏の建設ラッシュ

ここ数年の建設ラッシュでひときわ目立っていたのは、首都圏での建設の勢いでした。

その理由は2つあります。1つは言うまでもなく、東京オリンピック・パラリンピックです。そして2つ目には、首都圏の再開発が挙げられます。

オリンピック特需

東京オリンピックの開催に伴い、新国立競技場をはじめとしたさまざまなインフラの整備が実施されました。

オリンピックに関係した直接的な投資額は約1兆円といわれていますが、そのほかにも、民間ホテルの新築といった間接的な需要も加わりました。

首都圏再開発

都心6区(千代田・中央・港・新宿・渋谷・文京区)と江東・品川区を中心に、首都圏の再開発計画が進められています。

山手線に新しい駅ができ、渋谷がパリやニューヨークのような国際都市「SHIBUYA」を目指し、池袋が「文化・芸術都市」に進化を遂げ…。挙げはじめたらキリがないほど、多くの高層ビルや建造物が建てられたり、周辺道路の整備が行なわれたりしています。

華やかな商業都市のオープンが取りざたされる一方、首都圏の再開発の本当の目的は別にあるともいわれています。その真の目的とは、防災機能の強化です。

近いうちに発生が予測されている首都直下型地震などに備えるため、首都圏では、防災機能を強めることを目的とした新陳代謝を急ピッチで行なっています。

復興のための建設ラッシュ

2011年3月に発生した東日本大震災。

震災以後、被災地の建設投資は勢いづいていました。人手不足のため、東京やほかの地域から、建設職人が引き抜かれる動きも活発でした。

しかし、東日本大震災の被災地ではインフラの整備がおおむね完了し、いわゆる「復興特需」が収まりつつあります。

被災地の復興工事は、今は高い技術を要するものに質が変わってきています。工事の縮小に伴い、中小の建設業者の倒産も増えつつあります。

高い技術をもった会社は引き続き案件を受注して経営が安定しますが、土木、除染、がれき処理、解体などに依存していた業者にとっては、被災地の復興工事は厳しい局面を迎えることになりそうです。

地方都市のタワマン建設ラッシュ

今、人口数十万の地方都市で、タワーマンションの売れ行きが好調です。

民間の不動産調査会社によると、2020年、3大都市圏を除く地方で完成したタワーマンションの部屋数は、この10年で2番目に多くなっているそうです。

なぜ、地方都市においてタワーマンションの建設ラッシュが起こっているのでしょうか? その理由は、コロナ禍と高齢化による影響の2つが考えられます。

コロナ禍の影響

いつ終わるのか分からない、長引くコロナ禍。

社会全体として、自宅で過ごす時間が長くなったことで、次のようなニーズが増えてきています。

・地方の中心市街地でより快適に暮らしたい
・リモートワークに取り組める書斎的なスペースがほしい

特に、新幹線や高速バスなどを利用することによって、3大都市圏に行きやすい地方都市において、タワーマンションの需要は高まっているようです。

高齢化の影響

地方都市のタワマン建設ラッシュの理由として、もう1つ挙げられるのは、高齢化社会の進展です。

地方において、郊外の持ち家から中心部にあるマンションへの人口シフトが著しいものとなっています。

高齢者が地方都市のマンションへの移住を求める声には、こんなものがあります。

・病院や市役所が近くにあって生活しやすいところに住みたい
・将来の運転免許の返納に備え、車が不要な場所に移り住みたい
・一戸建てよりも光熱費が安く済み、除雪や除草作業をしなくてもいい環境に憧れる

高齢化の進展とともに、地方の中心市街地に住むニーズは高まりを見せ、それを反映するようにタワーマンションの建設ラッシュは順調に進んでいます。

あとがき

この記事では、日本の建設ラッシュが一体いつまで続くのか、首都圏の建設ラッシュ・震災復興の建設ラッシュ・地方都市の建設ラッシュの3つに分けて考察してきました。

首都圏の建設ラッシュでは、オリンピック特需は収束に向かいつつも、首都圏再開発はまだまだ賑わいを見せています。

震災復興の建設ラッシュはおおむね完了したため、高い技術力を持っているかどうかが、建設業者の生き残りの明暗を分けてしまいそうです。

地方都市のタワマン建設ラッシュは、コロナ禍と高齢化の進展という2つの理由から、まだまだ伸びていくと考えられそうです。

時代の流れを予測するのは難しいですが、是非この記事をヒントに、これからも建設業界でご活躍くださいね。