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建設マスターとは?頑張る施工者を称える制度!その概要やメリットをご紹介

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建設マスターとは? 第一線で活躍する建設技能者を、国土交通大臣が顕彰!

「建設業界でコツコツと長く頑張ったら、どんないいことがあるのかな?」
ふと、そんなふうに考えたことはありませんか?

実は、地道に技術を磨き、日々現場のために頑張るあなたを、国が称える制度があるんです。

この記事では、そんな建設マスター制度について、その概要や選考方法、メリットなどについてお伝えします。

建設マスターとは?

建設マスターとは、「優秀施工者国土交通(建設)大臣顕彰者」の通称です。

1992(平成4)年に創設された建設マスター制度。

この制度は、建設現場において工事施工に直接従事し、優秀な技能・技術をもつ建設技能者を、「優秀施工者」として国土交通(建設)大臣が顕彰するというものです。

ようするに、信頼できる「ものづくりの名人」ということですね!

そんな建設マスター制度の目的は、2つあります。

1つ目は、「ものづくり」に携わっている人の誇りと意欲を高めて、その能力と資質の向上を促すということ。

そして2つ目は、「ものづくり」に参加している人の、社会的な評価や地位の確立を図り、建設業の健全な発展に役立てるということです。

建設マスターになれるのはどんな人?

建設マスターとして顕彰されるための選考基準、選考要件、対象職種についてまとめました。

建設マスターの選考基準

建設マスターとして表彰されるのは、建設業界において、直接的に工事施工に従事している個人です。

その中で現役として活躍している建設技能者のうち、次の5つの基準をすべて満たしていることが、建設マスターとして選考されるための条件となっています。

建設マスター、5つの選考基準

1. 技術・技能が優秀であること
2. 工事施工の合理化等に貢献していること
3. 後進の指導育成に努めていること
4. 安全・衛生の向上に貢献していること
5. 他の建設現場従業者の模範となっていること

優秀なスキルをもっているだけではなく、後輩の育成や、現場の模範であることなど、総合的に優れていることが、建設マスターには求められているのですね!

建設マスターの選考要件

建設マスターの選考要件は、次の3つが主なものとなっています。

1. 原則、年齢が40歳以上60歳以下
2. 現場業務の従事期間が20年以上
3. 無事故期間が3年以上

建設マスターの対象職種

建設マスターの対象職種は、解体工事関連職(大工など)が6種、仕上げ工事関連職(左官工など)が17職、設備工事関連職(電気工など)が8種、基礎・その他工事関連職(建設機械運転工など)が21種、あわせて52の職種です。

建設マスターとして顕彰されている人が最も多い職種は土工で、次いで大工、建設機械運転工とつづいています。

建設マスターの選考の流れは?

建設マスターは、次の流れで選ばれています。

1. 建設業団体・各都道府県・地方整備局・北海道開発局から推薦候補者の提出
2. 年齢など要件の確認
3. 選考基準( 技術・技能が優秀であることなど)に基づき審査
4. 有識者からなる審査委員会で審査・被顕彰候補者を選考
5. 審査委員会が選考した候補者の中から、国土交通大臣が決定

建設マスターになるとどんなふうに顕彰される?

推薦や審査を経て建設マスターに選ばれると、どのように顕彰されるのでしょうか?

建設マスターの顕彰内容

建設マスターに選ばれた「ものづくりの名人」のために、1年に1回、顕彰式典が実施され、国土交通大臣から顕彰状の授与と、徽章(きしょう。バッジ)の贈呈が行なわれます。

また、建設マスターに選ばれるとデータベースに氏名などが掲載され、こちらの専用ページで検索・閲覧することができます。

建設マスター 顕彰者データベース

建設マスターの徽章(バッジ)に込められた意味

建設マスターの徽章(バッジ)は、丸い形の中央に星がデザインされています。

この星は、両手を広げて力強く大地に立つ、建設産業・建設工事を担う「人」をイメージしているそうです。

また、なぜ星をデザインに組み込んだのかについては、次のように紹介されています。

人の形は星の形にも通じ、ものづくりの現場における“スター”としての建設マスターを表しています。


建設マスターのあらまし

バッジの周囲には建設生産物があしらわれていて、星の周りを彩るグリーンの色には、「工事の安全」と「環境との調和」の意味が込められています。

建設マスターのメリット・デメリット

では、建設マスターに選ばれると、どのようなメリット、またデメリットがあるのでしょうか?

メリット

先にご紹介したとおり、建設マスターとして顕彰されると、データベースにて氏名や所属している会社などが公開されます。

そのため、建設マスターの所属する会社は、知名度や信頼度が高まり、仕事の受注数が増えるというメリットがあります。会社のSNSやブログなどで紹介されると、大きな宣伝効果が期待されるのです。

また建設マスター本人も、そのような形での会社への貢献度から、報酬・待遇がアップすることが多いようです。

デメリット

特に見つからないデメリットですが、しいて挙げるとするならば、1つです。建設マスターのデータベースで氏名などを公表されたくない人にとっては、その情報公開はデメリットになるかもしれません。

建設ジュニアマスターとは?

建設マスターとは別に、建設ジュニアマスターという顕彰制度もあります。

建設ジュニアマスターの内容

建設ジュニアマスターは、若い建設技能者を対象とした顕彰制度です。

39歳以下の技能者は建設ジュニアマスターと呼ばれ、20年以上の現場業務経験者に表彰される建設マスターとは異なり、業務経験10年以上が対象となっています。

そのため、20代で顕彰される技能者も数多く存在します。若い人の建設業への入職や、仕事のやる気アップにも繋がる制度です。

建設ジュニアマスターの選考基準

1. 技能・技術が優秀であること
2. 工事施工の合理化等に貢献していること
3. 将来その活躍が一層期待されること
4. 安全・衛生の向上に貢献していること
5. 他の建設現場従業者の模範となっていること

建設ジュニアマスターの制度では、以上の内容が選考基準となっています。

3つ目の項目「将来その活躍が一層期待されること」が、建設マスターの選考基準とは異なっており、若者への期待がかけられた制度であることが分かります。

あとがき

この記事では、建設マスターの概要やメリットなどについてお伝えしてきました。

建設業界で日々コツコツと頑張っているあなたも、いずれ建設マスターや建設ジュニアマスターの栄誉ある称号を手に入れられるかもしれません!

また、この建設マスターを1つの目標として、毎日の業務のやる気アップにつなげてみてはいかがでしょうか?

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