建設会社と建設コンサルタント会社の仕事はどう違うのか?建設関係の求人を探していて疑問に思った方もいるのではないでしょうか?
今回は、建設コンサルタント会社の具体的な仕事内容と、年収、激務といわれている理由などをご紹介します。
目次
建設コンサルタント会社とは?
建設コンサルタント会社の仕事は、建設業ではなく、サービス業のカテゴリーに入ります。
建物や道路の工事は行いませんが、事業者に対して技術的なアドバイスをしたり、事前の調査が行ったり、企画、立案など、業務内容は幅広いです。専門的な技術や知識が必要で、大手の会社は自社研究所で研究、実験を行っています。
日本の建設コンサルタント会社の最大手企業は「日本工営株式会社」。国内のみならず、海外の大規模なプロジェクトにも関わってきました。その他に、代表的な企業として、「株式会社建設技術研究所」「株式会社オリエンタルコンサルタンツ(ACKグループ)」「応用地質株式会社」「株式会社長大」が挙げられます。
建設コンサルタントの仕事内容
建設コンサルタントの仕事について、もう少し詳しくご紹介します。
・建設物の企画、立案
建設物の規模や構造を計算した上で企画、立案を行う
・地盤や地質調査
例えば道路を作る際、候補地の地盤や地質の調査を行う
・工事のスケジューリング
工期を計算してスケジューリングを行う
その他にも建設コンサルタントは様々な業務を行っています。専門知識はもちろんのこと、コミュニケーション能力も必要な仕事です。
建設コンサルタントになるには?
建設コンサルタントの仕事をしたい場合は、建設コンサルタント会社に就職する必要があります。
新卒の場合、建設コンサルタント会社に就職するのは、関連性のある学部で学んだ理系の学生がほとんどです。しかし、充実した研修制度が備えた企業の場合は、文系の学生でも入社できる場合もあります。
また、設計事務所や測量事務所などを経て、建設コンサルタント会社に就職する方も少なくありません。
建設コンサルの仕事には資格は必要?
建設コンサルとして働くために必須の資格はありません。入社の段階で「この資格がなくては入社できない」ということは特になく、場合によっては専門知識がなくても就職できることもあります。
ただし、実際の業務は専門知識が必要なため、入社後取得がすすめられる資格があり、そのために社内研修を行う企業も多いです。建設コンサルに関連する資格は複数ありますが、主だったものは以下の2つの資格です。
・技術士
技術士は国家資格であり、計画、調査、設計など、科学技術の専門知識を有することを証明する資格です。試験だけではなく、実務経験が4年以上必要なため、就職後にしか資格試験に挑めません。
ただし、一次試験は筆記で、それだけは実務経験がなくても受験可能です。技術士は建設コンサルタント会社として登録際に必須の資格なので、一次試験突破だけでもアピールポイントになることがあります。年齢や学歴は関わりなく受験できるので、受けておくのもよいでしょう。
・RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)
RCCMは民間資格ですが、技術士の資格を持つ人材が少ないため、それを補う目的で作られた資格です。
そのため、その内容は技術士と似ています。
技術士の合格率は10~20%でかなり難関ですが、RCCMの場合は、30~50%程度。
取得しやすいのがメリットです。ただし、取得には長い実務経験が必要なのが難点で、大卒なら7年、短大卒や高専卒なら9年、高卒なら11年です。
建設コンサルタントの平均年収
同じ建設コンサルタント会社でも会社によって年収に幅があります。例えば、大手7社で最も平均年収が高いのは、有価証券報告書より作成されたデータによると、「株式会社建設技術研究所」で、842万円。最も低いのは「応用地質株式会社」で656.4万円。そして、業界全体の平均年収の相場は、求人ボックスのデータによると498万円でした。
大手ではなくても一般的な平均年収よりも高く、大手の管理職なら年収1,000万円以上の方も少なくありません。専門職にふさわしい高い水準の収入が見込める業種といえそうです。
因みに、地域については、最も年収が高かったのは関西地方。平均年収517万円でした。他の地方は500万円に達していなかったので、関西での就職は有利といえそうです。
参考:
建設コンサルタントの仕事の年収・時給・給料情報|求人ボックス
建設コンサルタントの仕事がキツイと言われる理由
建設コンサルトは比較的高収入を望める専門職ですが、実際に働いてみると、仕事はキツイ、辞めたくなるという声も。それには以下のように複数の理由があります。
労働時間が長い
これは建設業界全般に言えることですが、建設コンサルタント会社は一般的に労働時間が長いです。長時間の残業、休日出勤、早出などを覚悟する必要があります。
建設コンサルタント会社では複数の案件が同時並行して進行するのが一般的です。それぞれ決まった工期があります。信頼される仕事をするために、長時間労働になりがちなのです。
勉強が必要
建設コンサルタント会社は豊富な知識を持ち、顧客に対してアドバイスする立場にあります。そのため、特に若手の場合は、勉強しなくてはならないことが多いです。
業務上のことだけではなく、資格を取得するための勉強もあります。長時間働いて、その合間に勉強するというのはかなり高いモチベーションが必要でしょう。
一人前になるまで時間がかかる
未経験の場合は、入社後5~10年の間は、上司の指示に従って仕事をし続けることになるため、そのことが苦になることもあります。
専門的な分野であり、雑多な業務があるため、目の前の仕事をこなすだけで、新人の方には仕事の全体像が見えにくいという面も。そのため、機械的にやらされているだけのように感じ、しかも、次々にこなす必要があるので、それが辛くなってしまうようです。
建設コンサルタントにむいている方の特長
専門職であり、年収は高水準のものの、仕事はハードな建設コンサルタントの仕事。以下のような方にはむいています。
体力に自信がある
特に新人時代は忙しい業務に加え勉強が必須のため、体力面は自信があったほうがよいです。
規模の大きな案件に携わりたい方
一人前になれば、規模の大きな案件を自分で切り盛りでき、責任もありますが、やりがいはあります。一人前になるまで時間がかかるということは、それだけ日々成長できる仕事であるともいえます。建設コンサルタントの仕事自体がおもしろいと感じられるということも重要です。
あとがき
建設コンサルタントの仕事は、専門知識が必要だからこそ、一人前になるまで時間がかかります。長い労働時間に耐え、日々前向きに勉強するモチベーションが必要ですが、給与面でも高水準であり、将来性がある職種と言えるのではなでしょうか。