
普段は目にする機会がほとんどなくても、実は重要な役割を持つ建材・ルーフィング。
この記事では、そんなルーフィングが発揮する優れた性能や種類をご紹介します。
また、施工時に押さえておきたいいくつかのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
ルーフィングとは
まずはルーフィングの概要や役割、必要とされる性能を見てみましょう。
ルーフィングってなに?
ルーフィングとは、防水のために屋根材の下に敷くシート状の建材です。
屋根材の下に隠れてしまうルーフィングは、普段の生活ではあまり目にすることはありません。
しかし、ルーフィング施工は、建築物の品質の決め手となるほどの重要な工程です。
ルーフィングの役割
ルーフィングは防水の役割を担っています。
水分は、建築物の劣化を早めてしまう要因です。
雨漏りなどによって水分が建物の内部構造に侵入した場合、カビや腐食の生じる確率は高まります。
建物は屋根材によって雨から守られますが、屋根材だけでは十分ではありません。
一般的に、屋根材にはすき間があるため、台風などで一定以上の強い雨風を受けた場合、すき間から浸水する可能性があります。
そのため、瓦や金属、スレートや樹脂などの住宅用屋根材では、ルーフィング施工による雨漏りの防止が必要です。
ルーフィングは、建物の防水に欠かせない存在なのです。
ルーフィングに必要な性能
防水建材の一種であるルーフィングに必要とされる性能は以下の5つです。
止水性
施工時にはルーフィングに釘やネジ、針で穴を開けますが、開けた穴の部分から建物内部への雨漏りを防ぐ性能が必要です。
耐久性
実は、屋根は建物の部材の中で最も温度変化を繰り返す部分です。
高温や低温となる使用環境でも有害な変質や変形を起こさない、伸縮の少ない耐久性が求められます。
施工性
ルーフィング自体の施工時や上に屋根材を施工する際に、破れない施工性が重要です。
透湿性
ルーフィングの種類のうち「透湿ルーフィング」の場合は、湿度を排出する性能を保つ必要があります。
強度
ひっぱる力を加えても破れない強度や、固定している針などの周りの穴の強度が求められます。
ルーフィング施工の5つのポイント
ルーフィングの持つ防水性を最大限に発揮するためには、ルーフィングの特徴をとらえた施工が必要です。
ここでは、ルーフィング施工時に押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。
ルーフィング選定時はよく検討する
万一、耐久性の低いルーフィングを施工した場合、ルーフィングのほうが屋根材よりも早期に劣化してしまいます。
見積書作成の段階で、施工する建物に最適なルーフィングを選びましょう。
施工スケジュールに気を配る
梅雨時や台風の時期は、雨の日が多いため注意しましょう。
野地板(屋根材の下地材)を設置した後、ルーフィング施工が完了するまでに雨が降った場合、野地板や柱が傷んでしまいます。
ルーフィングが破れていた場合の対応
ルーフィングが破れていた場合はすぐに工事を止めましょう。
破損部の修繕や貼り替えが必要なためです。
ルーフィングに生じた穴や破れは、どんなに小さなものでも数年後や数十年後に雨漏りの原因となる可能性があります。
ルーフィングを貼る方向を意識する
ルーフィングは、軒先(屋根の下部)から棟上(屋根の上部)の方向へ貼り進めましょう。
雨水は、屋根の上部から下部に向かって流れます。
ルーフィングを貼る方向を意識すれば、雨水の流れに対して侵入のすき間を作らずに施工できます。
ルーフィングの留め方に注意する
ルーフィング施工で大切なのは、野地板にしっかりと固定されていることです。
ルーフィングと野地板の間にすき間があったり、ルーフィングがたるんでいたりした場合、水を防ぐ役割が果たせません。
ルーフィングを野地板に留める方法は2種類です。
タッカーで留める
1つめは、タッカー(建築用のホチキスのような工具)を使って留める方法です。
タッカーから押し出されるのは、ステープルという「コ」の字型の金属部品です。
ステープルのサイズはとても豊富にあるため、ルーフィングの材質にかかわらずに使用でき、野地板に確実に固定することが可能です。
しかし、タッカーで固定する際にルーフィングに複数の穴が開き、その穴が年月とともに雨漏りの要因となる可能性もあります。
粘着層で貼る
2つめは、裏面が粘着層になっているルーフィングを野地板にそのまま貼りつける方法です。
粘着層で貼る方法の場合はルーフィングに穴を開けずに固定できるため、タッカーで留める方法と比べて防水性に優れています。
ただし、非常に強い粘着力であるため一度貼れば簡単には剥がせず、貼り直しができません。
1人で施工する場合にはあまり向かない方法であると言えます。
ルーフィングの種類
ルーフィングにはさまざまな種類があります。
施工する屋根の形や土地の気象条件によって最適なルーフィングは異なるため、どのようなルーフィングがあるのかはチェックしておきたいところです。
ルーフィングの主な3種類を以下に挙げます。
遮熱ルーフィング
遮熱ルーフィングとは、湿気を建物の外に排出する透湿性と、熱をカットする性能を持ったルーフィングです。
夏は外部からの熱を反射し、冬は建物内部の熱を逃がしません。
そのため、外気温の影響を受けにくく、建物の冷暖房効果を高められます。
また、遮熱ルーフィングはほかのルーフィングに比べて小屋裏の湿気を放出しやすいため、結露の発生や凍結、腐敗の防止が可能です。
耐久性と省エネ効果の両方に期待できるのが遮熱ルーフィングです。
透湿ルーフィング
透湿ルーフィングとは、湿気が通り抜ける性質のルーフィングです。
湿気は透過する一方、高い防水性を持ち耐久性に優れています。
湿気を建物の外に素早く放出するため、野地板の傷みを防ぐとともに、腐敗やカビの要因である小屋裏の結露を抑えます。
透湿ルーフィングは、熱と圧力のみで結合させた不織布タイプのシートです。
そのため、軽量で施工しやすいのが特徴です。
価格は高い傾向にありますが、その分耐用年数も長くなっています。
アスファルトルーフィング
一般的によく使われているルーフィングは、アスファルトルーフィングです。
アスファルトルーフィングは、フェルト(合成繊維不織布)にアスファルトを浸し、コーティングして作られたルーフィングです。
道路のアスファルトと同じように、高い防水性能を持っています。
また、ゴムアスルーフィング(ゴムアスファルトルーフィング)という改質ゴムアスファルトを使用したものもあり、優れた伸縮性や耐久性を発揮します。
あとがき
建物の防水性を確保するために欠かせない建築部材、ルーフィング。
選定時や施工時には、今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。
目立ちはしないながらも奥の深いルーフィングへの理解を、ぜひ深めていきましょう。