C'Lab

人気の「ルーバー」。役割や種類、取りつけ場所やタテヨコの違いまで。

建築コラム

23
ルーバーとは?

おしゃれな見た目と機能性が人気の「ルーバー」
「なんとなくはイメージできるけれど、詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ルーバーの役割や種類、取り付け場所によって異なるメリットを解説します。
建築にルーバーを使う場合に役立つ情報をまとめてあるので、ぜひ参考にしてください。

ルーバーとは?

ルーバーとは、「羽板(はいた)」と呼ばれる細い板を、すき間をあけて平行に並べたもので、主に建築に使われます。
日本では「鎧戸」「ガラリ戸」と呼ばれることもあり、ルーバーを使ったデザインは昔から用いられてきました。

ルーバーには可動式と固定式があり、可動式のルーバーは羽板の角度を調節できます。

ルーバーの役割は以下の通りです。

・光を避ける
・風を調節する
・視線を遮る
・騒音を和らげる
・ホコリの侵入を防ぐ

ルーバーの5つの素材と特徴

ルーバーの持つ特徴は、素材によって異なります。
ここでは、ルーバーに使われる主な素材と特徴をご紹介します。

アルミ製

アルミ製のルーバーは、熱や汚れ、サビに強いという特徴を持っています。

家庭用のアルミ製ルーバーは窓の目隠しに使われることが多いです。
一方、施設用のアルミ製ルーバーは、屋上のフェンスや大きなガラス窓の日よけ、装飾として使われます。

弱点としては、色のバリエーションの少なさと衝撃への弱さが挙げられます。
しかし、建物の外側から簡単に後付けできることや手入れのしやすさから、アルミ製のルーバーは人気です。

また、窓サッシとセットになった既製品がつくられているため、比較的低価格で入手することができます。

木製

木製のルーバーには、天然木や人工木を使ったものがあり、竹素材のルーバーも木製に含まれます。

木製ルーバーの魅力は、自然な風合いや温かい雰囲気です。
また、木製の中でもどの素材を選ぶかによって、和風と洋風どちらのデザインにもマッチする点も人気があります。

ただし、木製のルーバーはメンテナンスが不可欠で、虫がついたり腐ったりする恐れや燃えやすさなどのデメリットもあります。

しかし、近年はDIY加工や経年劣化そのものを楽しむ流れが広がってきているため、木製ルーバーの弱みはそこまで深刻なものではないでしょう。

ステンレス製

ステンレス製のルーバーの強みは、優れた耐久性と耐熱性です。

耐久性の強さから、建物の扉の通気口やベランダなどにも多く使われています。
また、熱だけではなく汚れにも強いため、排気口や換気窓の外付けとして、網戸とセットになったものが採り入れられています。

ステンレス製ルーバーは見た目がスタイリッシュであることから、コンクリートの建物との相性は抜群です。
また、最近はフェンスの代わりとして用いられることも増えています。

ガラス製

ガラス製ルーバーは光を通すことができます
ガラスに磨り(すり)ガラスを採用した場合は目隠し効果も得られ、開放的な空間の演出が可能です。

可動式のガラス製ルーバーの場合は、手軽に掃除できるという点も魅力です。

通常の窓ガラスとガラス製のルーバーには目立った違いがないため、多くの人に受け入れられやすいと言えます。

ただし、ほかの素材と比べると割れやすいため、定期メンテナンスや目視でのキズのチェックが重要です。

ポリカーボネート製

ポリカーボネート製ルーバーには、透明で光を通すにもかかわらず強度が高いという特徴があります。

割れにくい性質を生かし、ベランダや建物外部の目隠しに多用されています。
また、枠にはアルミが使われており、窓サッシとセットでの取り付けが可能です。

カラーバリエーションも豊富に展開されているため、建物の雰囲気に合わせたルーバーを選べます。

タテ型とヨコ型のルーバー、3つの違い

ルーバーは、タテ型とヨコ型のどちらかによって、防犯性・手入れ・デザインの点で違いが生じます。
それぞれのポイントで生まれる違いは以下の通りです。

防犯性
ヨコ型ルーバーを外壁に使用した場合、デザインによっては足がかりにして侵入される恐れがあります。
防犯性を重視するケースでは、ヨコ型よりもタテ型を採用することをおすすめします。

手入れ
汚れの付きにくさについても、ヨコ型よりタテ型のほうに軍配が上がります。

デザイン
好みによって分かれますが、建物外部にフェンスとしてルーバーを使う場合、タテ型よりもヨコ型のほうが統一感が生まれます。

ルーバーの取り付け場所と得られるメリット

ルーバーは、取り付ける場所に応じた使い分けができます。
それぞれの場所で得られるルーバーのメリットを見ていきましょう。

窓・扉

ルーバーを窓や扉に設置した場合は、防犯効果とともに風通しのよさを得ることができます

例えば、浴室の窓にルーバーを取り付けると、視線を遮るのと同時に、入浴していない時にも安心して換気を行うことが可能です。
浴室以外の部屋にも、扉の一部にルーバーを設置することで、空気の流れが生まれます。

透明度の高い素材を採用した場合は光を通し、開放的な環境となります。

外壁・ベランダ

ルーバーを外壁やベランダに取り付けると、雰囲気や使い勝手のよい目隠しとなります。

例えば、高い塀は閉塞的で、建物内部への風や光の採り入れに制限を与えます。
また、生垣であれば適度なすき間から風や光は通る一方、手入れに手間が必要です。

その点ルーバーは、風通しや採光、手入れの容易さという条件をクリアしつつ、外部へ与える威圧感もありません。
ルーバーの素材によって色や雰囲気に変化を出せるので、建物や土地に合った空間を作ることができます。

天井・照明

天井や照明には、目隠しや採光のためにルーバーを取り付けます。

商業施設やオフィスで用いられている天井ルーバーは、照明器具が見えるのを防ぎつつ採光効果を高めます。
照明器具にルーバーを設置すると、見た目をよくし、明かりを柔らかい印象にすることができます。

コンクリートの建物にリラックスした雰囲気を取り込むために、木製のルーバーが選ばれることが多いです。

玄関ポーチ

玄関ポーチにルーバーを設置しておけば、ドアの開閉時に外から室内を見られてしまう不安が軽減します。

外壁の全体を囲んだ場合にはコストが高くなってしまいますが、玄関ポーチだけにルーバーを取り付けた場合には、比較的費用はかかりません。

また、住宅だけではなく店舗などの入り口にもルーバーを設置するメリットがあります。
出入口付近にルーバーを取り付けることで、お店の雰囲気を演出することが可能です。

ほかにも、光や風を通したり、車の追突事故を防いだりといった効果を期待できます。

あとがき

今回は、ルーバーの概要や使用される素材、設置場所ごとのメリットなどをお伝えしてきました。
デザイン性や機能性に優れたルーバーを活用して、クライアントの希望を叶える施工を実現してください。

建設作業に使われる部材に興味のある方には、こちらの記事もおすすめです。

関連記事:建設部材「スリーブ」とは?施工の流れやポイント、種類についても解説

23