C'Lab

人気の建築資材「ピンコロ」が丸わかり!魅力や種類、施工方法まとめ。

建築コラム

24
ピンコロとは?

自然な風合いを生かして、公園や住宅の外構に使われるピンコロ。
ピンコロは街でよく見かける資材ですが、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ピンコロの概要や魅力、施工方法を解説します。
また、色や大きさ、表面の仕上げ方もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ピンコロとは?

ピンコロとは、1辺の長さがおよそ90mmの立方体の石材で、花崗岩(かこうがん)や玄武岩(げんぶがん)でできています

花崗岩とは、マグマがゆっくりと冷えて固まった深成岩の1つで、御影石という呼び方で広く知られています。
玄武岩とは、マグマが急激に冷やされてできた火山岩の1つです。

ピンコロは厳密な正立方体ではありません。
やや不整形な場合でも、サイコロ状であればピンコロと呼ばれます。

ピンコロがよく使われているのは、外構やガーデニングの分野です。

ヨーロッパでは、ピンコロは古くから石畳の床材歩道に用いられてきました。
一方、日本では、住宅のアプローチ(敷地の入り口から玄関までの通路)の舗装に使われたり、花壇にレンガのように積み上げて飾られたりしています。

ピンコロの魅力とは?

ここでは、ピンコロの持つ3つの魅力をお伝えします。

見た目の美しさ

ピンコロは、見た目が非常に美しい建築資材です。
石材の持つ自然な風合いには高級感があり、ほかの素材では出すことのできないがあります。
また、石材は一つひとつ異なる表情を見せるため、石畳などに用いればとても深みのある仕上がりとなります。

和風・洋風のどちらにもマッチ

種類並べ方などの用いられ方によって、和風・洋風どちらの雰囲気にもよく合うのが、ピンコロの魅力の1つです。
例えば、ホワイト系のピンコロを使った場合はヨーロピアンな印象を、ブラック系のピンコロを用いた場合はシックで落ち着いた雰囲気の和風な印象を演出できます。

凹凸が靴底にフィット

ピンコロは御影石の資材なので、天然石の凹凸面が靴底にフィットします。
そのため、歩行者が足を滑らせて転倒するリスクは比較的低いと言えます。
より安全性が求められる公園や、遊歩道などのパブリックスペースに使用するのがおすすめです。

ピンコロの種類

ピンコロは、色や大きさ、表面の仕上げ方など、さまざまな種類に分けることができます。

ピンコロの色

ピンコロの主な色の種類は以下の通りです。

・白
・黒
・サビ
・グレー
・桜(ピンク)
・イエロー

ピンコロの大きさ

ピンコロには以下の3種類のサイズがあります。

・一丁掛…90×90×90mm
・二丁掛…90×190×90mm
・半丁掛(半ピン)…90×90×45mm

基本の大きさは1辺が90mmの立方体である一丁掛ですが、施工する場所に応じて2倍や半分の大きさのピンコロが使われています。

ピンコロの表面の仕上げ方

ピンコロの表面を仕上げる方法は以下の2種類です。

割肌仕上げ

割肌仕上げとは、石を人工的に割った状態を、そのまま「仕上げ」とする方法です。
表面には凹凸があり大きさにバラつきが生じますが、ふぞろいであることで石の自然な表情がより際立ち、独特な風合いを感じられます。

ビシャン仕上げ

ビシャン仕上げとは、「ビシャン」と呼ばれる特殊なハンマーで、石の表面を叩いて平らに仕上げる方法です。
割肌仕上げと比べるとバラつきが少なく、形が比較的整っています。

ピンコロの施工方法を4ステップで解説

ピンコロの使い方にはさまざまなものがありますが、今回はピンコロを床面に敷きならべる施工方法をご紹介します。

ステップ1. 下地づくり

はじめに取りかかるのは下地づくりです。

床面がコンクリートの場合、清掃してゴミなどをきれいに取りのぞきます。
床面が土の場合は、砕石を敷き転圧するなど、締め固めてできるだけ強い下地をつくります。

その後、ピンコロ施工の仕上げの高さに合わせて、水糸(水平を示す糸)を張りましょう。

ステップ2. バサモルタル敷き

「バサモルタル」をつくり、下地へ敷き込みます。

バサモルタルは、モルタルとは少し異なるものです。
モルタルはセメントに砂と水を混ぜ合わせてつくりますが、バサモルタルは水を少なく配合してバサバサとした状態にします。

バサモルタルを使うことで、ピンコロ施工の水平精度がより高くなります。

ステップ3. ピンコロの設置

バサモルタルの上に、ピンコロを並べて配置します。
円形や扇形など、さまざまなデザインを表現することが可能です。

この際、あらかじめ張っておいた水糸に合わせるように、ハンマーなどで叩いてピンコロの高さをそろえましょう。

ステップ4. 目地詰め

最後に、設置したピンコロとピンコロの間の目地部分へモルタルを詰めます。

目地の中にすきまが生じると強度が低くなってしまうため、押し込むようにしっかりと詰めましょう。
はみだしたモルタルは、固まる前にブラシやスポンジを用いて拭き取ります。

モルタルが硬化すれば、ピンコロ施工は完了です。

あとがき

花崗岩や玄武岩を立方体に加工したピンコロは、独特な美しさや自然の趣が魅力の建築資材です。
ピンコロにはさまざまな種類があるので、施工場所に応じたものを選び、デザインを考える楽しみがあります。

住宅のアプローチや人の集まるスペースの建築に、ぜひピンコロを採り入れてみてはいかがでしょうか。

建築資材に興味のある方には、こちらの記事もおすすめです。

関連記事:人気の「ルーバー」。役割や種類、取りつけ場所やタテヨコの違いまで。

24