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建設汚泥とは?基本の情報や処理方法について、とにかく分かりやすくご説明

建築コラム

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建設汚泥

建設工事に伴って生じる汚泥のことを「建設汚泥」といいます。建設汚泥は産業廃棄物として取り扱われるものなので、処理などには正しい知識が必要です。しかし、廃棄物処理法などを読んで勉強しても、なかなか理解しづらいのではないでしょうか。

そこで今回は、建設汚泥の概要や処理方法について、初めての方にも分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

建設汚泥とは?

建設汚泥は、建設現場で発生する「建設副産物」の中のひとつです。

「建設副産物」については、こちらで詳しくご紹介しています!

建設汚泥に当てはまる状態

建設現場で行われる掘削工事。その際に発生する泥状の掘削物や泥水のうち、廃棄物処理法で定められた「産業廃棄物」として取り扱われるもののことを、建設汚泥といいます。

建設汚泥に当てはまる状態とはどのような様子を指すのでしょうか。リストにまとめました。

汚泥の状態

・標準仕様のダンプトラックへの山積みができず、その上を人が歩けない状態(コーン指数は200kN/m²以下)。
・運搬中の練り返しによって泥状となるもの。

リストの内容を詳しく見ていきましょう。

まずは、標準スペックのダンプトラックに積み上げることができず、また、その上を人が歩けない状態です。この状態について、土の強度を表す指標でいうと、「コーン指数」がおよそ200kN/㎡以下、もしくは「一軸圧縮強度」がおよそ50kN/㎡以下となります。

また、標準仕様のダンプトラックなどに積み込んだ際には泥状ではなかった掘削物であっても、運搬している間の練り返しによって、泥状となるものもあります。このような掘削物は建設汚泥として取り扱わなければなりません。

参考:建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について|環境省

建設汚泥が発生するシーン

建設汚泥が生じる事例として挙げられるのは、次のような作業です。

・各種杭打ち工事
・地盤連続壁工事
・地盤改良工事
・シールド工事
・高圧噴射撹拌工事
・推進工事
・柱列式連壁工事
・耐震化工事

建設汚泥の種類

ここでは、建設汚泥の種類についてご紹介します。建設汚泥は、セメントなどがミックスされているかどうかによって「自硬性汚泥(セメントなどの混入あり)」「非自硬性汚泥(セメントなどの混入なし)」に分類されます。さらに「非自硬性汚泥」の中でも、その性質によって「泥水状汚泥」「泥土状汚泥」に区分することができます。

自硬性汚泥

セメントなどが混ざっている建設汚泥は自硬性汚泥と呼ばれます。この汚泥は、放置しておくと固まるという性質を持っています。

自硬性汚泥が生じる主な工法は、ソイルセメント壁工法(SMW工法)や高圧噴射攪拌工法です。

泥水状汚泥

セメントなどの混入がない建設汚泥は非自硬性汚泥といいます。その中でも、含水比(物質に含まれる水分の割合)が高く、機械での脱水によって減量できるものを泥水状汚泥といいます。

泥水状汚泥の主な発生工法は、泥水式シールド工法や連続地中壁工法、アースドリル工法です。

泥土状汚泥

泥土状汚泥は、非自硬性汚泥の中でも含水比(物質に含まれる水分の割合)が比較的低く、 機械での脱水が難しい建設汚泥です。

泥土状汚泥が発生する主な工法には、泥土圧シールド工法やアースドリル工法が挙げられます。

建設汚泥の処理技術

ここからは、建設汚泥をリサイクルするための処理技術について簡単にお伝えしていきます。

建設汚泥の処理技術として代表的なのものは、次の5つの方法です。建設汚泥の処理時の形状によって、再利用する際の用途が異なります。

焼成処理

まずは焼成(しょうせい)処理です。これは、粒状の建設汚泥を利用目的に応じて形づくり、1,000℃程度の温度で焼成・固化する処理技術です。

焼成とは、原料を高温で焼き、その性質を変化させること。焼成された建設汚泥は、高い強度や軽量性、保水性などの特長を持ちます。

処理後の主な用途

・ドレーン材
・骨材
・緑化基盤園芸用土
・ブロック

溶融処理

続いて溶解処理です。これは、建設汚泥の固形分を、焼成処理よりも高い温度で溶融状態にした後、冷却して固形物にする方法です。粒状・塊状の建設汚泥に対して行います。

処理後の主な用途

・砕石代替品
・砂代替品
・石材代替品

脱水処理

3つ目にご紹介するのは脱水処理です。これは、水分が含まれる割合の高い建設汚泥から、水を絞り出す処理方法です。機械の力を利用した「機械式脱水処理」と、重力などを利用した「自然式脱水処理」に分けられます。

脱水後は脱水ケーキと呼ばれる状態となり、これに処理を施すと再利用することができます。

処理後の主な用途

・盛土材
・埋戻し材

乾燥処理

次は乾燥処理について見ていきましょう。これは、建設汚泥から水分を蒸発させることで含水比(物質に含まれる水分の割合)を低下させ、強度を高める方法です。天日乾燥などの自然乾燥や、熱風などを利用した機械式乾燥があります。

処理後は主に盛土材として使われます。

安定処理

最後に安定処理についてお伝えします。安定処理は、軟弱な建設汚泥に、セメントや石灰などの固化材を添加・混合する、化学的な技術です。施工性の改善や強度の増加を目的としています。

加える固化材の添加量によって、強度をコントロールすることができます。

処理後の主な用途

・盛土材
・埋戻し材

あとがき

今回は建設汚泥の概要や処理方法についてご紹介してきました。建設汚泥については、国土交通省によって「建設汚泥の再生利用に関するガイドライン」も策定されており、リサイクル率や適正処理の実施状況など、建設業界全体で注目していきたいトピックです。

建設汚泥をはじめとした建設副産物をどう扱っていくのかは、環境への影響を考えると他人事ではない問題です。直接的な業務に携わっていない場合では、まずは「知ること」から始めていきたいですね。

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