Y‘Zプラントサービス
JR茅ヶ崎駅から県道経由で約20分車を走らせると、緑あふれる一軒家に着いた。
隣家では養蜂の作業中で、草むらに残暑の蒸し暑さが残っている。
ここが事務所です、と迎えてくれたのは円子純花さん。合同会社Y’zプラントサービスの業務執行社員兼代表を務める女性だ。
Y‘Zプラントサービスの「プラント」とは、「工場」を指す。その名の通り各地の製油所や発電所など工場で機器の設置、メンテナンスを担当する会社だ。現場監督や、土木職人を束ねる代表が女性というだけでも意外だったが、小柄で優しそうな雰囲気と、29歳という年齢を聞いて、さらに驚いてしまった。
若い女性とはいえ、高等専門学校の土木工学科で学び、卒業と同時にプラントメンテナンス業界を牽引する大手建設会社に入社。現場監督として経験を積み、キャリアはすでに10年を超える。工場との出会いはいつだったのか。
「高校の3年間を普通科に行くのは無駄だと思っていて、当時の選択肢だと高専か看護系の学校でした。理数系が得意だったので、高専かなぁ、と。電気系は苦手だったので、土木を専攻しました。土木工学科を出るとゼネコンに入るというルートが普通だと思うんですが、ゼネコンはちょっと違うなぁって(笑)」
タンクや大型機器が並ぶ大規模な工場は一種独特の外観で、最近では夜な夜な稼働する姿を「工場夜景」と呼んで撮影するファンもいるという。だが土木工学を学んだ円子さんにとって、プラントは昔からいたって身近な存在だった。
「ちょうど家の前が火力発電所で、日常的にプラントを目にしていたんです。建築業界と違って建設業は、確かに女性が活躍しにくい側面があるんですよ。更地の現場に放り込まれても、トイレもないですからね。でも工場だったら、自分にも務まるかなと考えたんです」
独立したのは2021年の12月。現場で下請の現場監督をしていた同い年の石井颯さんと意気投合し、一緒にY‘Zプラントサービスを立ち上げた。
「社長と出会ったのが横浜の現場で、社長が大の湘南好き。ふたりともサーフィンをやるので茅ケ崎に事務所を構えました」
トップが20代という体制は、この業界では珍しいという。
「監督になるのに5年、職人になるのには10年かかると言われている。それだけ年月がかかることを考えると、うちの会社は私と社長が20代で、平均年齢39歳なので、若手中心の環境といえると思います。若いスタッフにも言いたいことは言って欲しいと思っていて、相談しやすい環境になっているはず」
実際に作業をする職人が技術を身に着けるのにも時間がかかるが、計画から実行まで滞りなく遂行するために工事全般を取り仕切る監督の苦労は、全く種類が違うそうだ。
顧客の要望を聞くところから始まり、工期のスケジュール調整、原価計算を含めた予算の管理、それらを踏まえた業者の手配や職人への指示など監督の仕事は多岐にわたる。装置の仕様についてはもちろん、材質に合わせた溶接に使う金属棒(溶接棒)の選定など、細かい専門知識が必要とされるため、それを習得するだけでも大変な労力だ。各所で板挟みになり神経をすり減らすことも多いと想像できる。
「顧客と揉めることも多いし、勝気じゃないとできない部分もあるけど、抑えるところは抑えないと進まない。体力もないと務まらないし、根性とやる気は必要な仕事だとは思いますね。だからこそ、顧客や下請業者とのやり取りがうまくいって、現場が順調に回り、工程通りに作業が終わった時には、すごくやりがいを感じます」
想像以上の苦労がありそうだが、その分達成感も大きいというのが伝わってきた。コミュニケーション能力はもちろん、自己管理もしっかりできることが最低限の条件になってくるという。
「社内の風通しはいいけど、厳しいところは厳しいです。やっぱり現場には危険作業が伴うし、危ないことはさせられないので。それぞれがしっかり管理してくれないとケガしたりしたら大変だし。監督というのは職人の命を預かっている。それはもともと私自身が意識してきたことなので」
ただし常に緊張を強いるわけではない。独立して会社を立ち上げたのも、メリハリのある働き方を求めているからこそだ。
「働きたいけど、休みも欲しい。それでいいと思うんです。私も社長もやるときはやろう、休むときは休もうという考え方なんですよ。2か月集中してガッツリ働いたら1~2か月休んで、2か月働いてまた休んでっていう繰り返しで、そういう働き方をしてもらっている方もいます。私自身もそうなんですが、仕事がない時にあんまり社員として働きたくないじゃないですか(笑)。現場と現場の合間にちょっとでも休めればいいなというのが理想で、そういう働き方を求める人は非正規雇用を選んでもらってもいいですし」
そういえば引っ越し作業中だという社名入りのトラックには、サーフボードが積まれていた。仕事はきっちりこなし、プライベートもしっかり楽しむライフスタイルは、こんなところにも表れている。
報酬は成果主義。待遇面は相談しながら決めていく方針で、福利厚生も随時追加可能。3年勤務すれば、大型と中型の自動車免許の教習代を全額会社で負担するという。12月の決算を前にした11月には研修合宿を計画中だ。
「もちろん働きながら資格を取ってもらってもいいですし、仕事ぶりに関してはしっかり見ていくつもりです。働き方や待遇を相談するっていうのは、大手だとなかなかできない。小さい会社だからこそできることだと思っています」
現在は石油プラントをメインに仕事を請け負っている。会社を立ち上げてわずか10カ月にも関わらず、実績も十分だ。鹿島石油の配管工事、山口県徳島市にある出光興産製油所でのメンテナンス、福島県相馬市の新地火力発電所での機器の据替など、すでに各地の現場を任されている。業務増加にともない、今回は社員を含めて広く人材を募集する。
「初心者でも一から教えます。もちろん経験者や資格を持っている人は大歓迎だし、女性でも体育会系で厳しい練習に耐えていた体力自慢にはぜひ挑戦してほしいですね」
会社を立ち上げた2021年の年末を思い出し、電車で帰れないほど忙しかったと振り返る円子さん。ここ数年コロナ禍で仕事が減った業界も多い中、建設業はいつでも多忙だと話してくれた。
「メンテナンスというのはつまり、法令点検なんですよ。車検と一緒で周期が法律で決まっているんです。主に消防法や高圧ガス保安法よって、何年に1回必ずメンテナンスをしなければならないというのがはっきりしている。だから仕事がなくなることはないんです」
工場の安全を守っている現場監督としての自信と誇り。円子さんが仕事について語る言葉のすべてにそれが詰まっていて、印象的だった。
現在会社はプラント工事以外にも事業を拡大中で、知り合いをサポートして木更津に飲食店をオープンしたばかりだという。最終的にはフランチャイズ化を目指しているとのことで、全国どこでもお店を開いてみたいという人を広く募集中。
「うちの社員は工事で全国あちこちに出張するので、行く先々で飲食店の店長と仲良くなる。そういう人たちも含めて経営についてアドバイスしつつ、売り上げが上がっていって、フランチャイズまで頑張れたらいいなと。私たち自身が飲みに行きたいという思いもあって、全国に1人でふらっと入りやすいお店が増えればいいなという思いでスタートしました」
また年内にはデイケアサービスも開始しようと準備を進めているため、介護資格を持つ人からの応募も随時受け付けている。
始まったばかりの活気にあふれ、メリハリのある働き方ができるY‘Zプラントサービス。体力とやる気に自信のある方をお待ちしています。
求人について
募集職種
(1) 職人/監督等現場経験者
(2) 事務員
(3) 飲食店経営者
(4) 介護経験者
雇用形態
・正社員/非正規雇用(個別対応)
・給与:応募時の面接で相談、成果主義なので実力次第
・待遇・福利厚生:特になし、採用後に相談して追加可能
仕事内容
・職人/監督等現場経験者:プラント工事の元請/1次の現場監督、職人
・事務員
・ 飲食店経営者:全国各地での飲食店経営
・ 介護経験者
・介護サービス全般
勤務地
・全国各地の現場(プラント工事)へ出張
・飲食店は好きな場所で経営が可能です
勤務時間
・基本は8:00~17:00(休憩12:00~13:00)だが、各現場による
・飲食店は経営者に任せます
休日休暇
基本は土日休み(各現場による)、工期によってGW/お盆/年末年始休暇あり
応募資格
やる気があれば資格などは必要なし。採用後に資格取得支援あり
求める人物像
・自己管理や時間厳守など、基本的なことが守れる方。
・報告・連絡・相談など基本的なコミュニケーションができる方。
・やる気があって体力に自信のある方。
募集期間
随時募集しております。
選考プロセス
まずは下記「お電話番号」よりお問い合わせください。
0466-66-9129
合同会社Y’Zプラントサービス
https://yzplantservice.amebaownd.com/
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。