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施工管理の採用は難しい?採用方法と応募につながる求人の書き方を解説

建築コラム

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施工管理 採用 方法

建設業界の人手不足や施工管理の資格の希少性から、施工管理の採用には「採用の方法がわからない」「求人を出しても応募が来ない」などの悩みがつきものです。そこで本記事では、施工管理の人材を効率よく採用するための、採用方法の紹介と求人の書き方を解説していきます。

どれが正解?施工管理の採用方法の比較

施工管理に限らず、人材を採用するには求人を出す必要があります。では、どこに求人を出せば良いのでしょうか?ここでは、求人を出す方法として主なものを紹介・比較していきます。

ハローワーク

ハローワークは国が運営する公共の就職支援機関です。全国に設置されており、職業紹介から企業の雇用対策まで雇用に関する様々なサービスが提供されています。

■メリット=お金がかからない
ハローワークは公的機関のため、求人掲載の費用はもちろん手数料もかかりません。また、国から「トライアル雇用助成金」という返済不要の支援金を受けられる場合もあります。

■デメリット=利便性が悪い
ハローワークへの求人掲載は他の求人サービスに比べ、登録するまでの工数が多い、窓口に専用の書類を取りに行く必要があるなど、採用担当者の事務負担が多くなります。また、ハローワークごとに地域の管轄があり、管轄を超える広い地域を対象にする求人を掲載することはできません。

人材紹介(転職エージェント)

人材紹介は、企業から求人の依頼を受けて求人内容に合った人材を登録者の中から紹介する有料のサービスです。専門のスタッフが企業のニーズに合う人材をマッチングしてくれる他、求人のアドバイスなどもしてくれます。

■メリット=専門家にお任せ
人材紹介を利用するメリットは、採用の効率化です。人材紹介ではスタッフが人材を紹介してくれる他、候補者との連絡などの仲介業務もおこなってくれます。そのため、候補者探しから採用にいたるまでの業務負担を軽減することが可能です。また、専門のスタッフが企業と人材の双方にヒアリングの上で紹介を行うため、ミスマッチが起こりにくいのも魅力です。

■デメリット=コストが高い
人材紹介は成果報酬型が一般的で、紹介された人材を採用した際に費用が発生します。その費用は、採用した人材の1年目の設定年収額の20%~35%が相場です。

民間の求人サイト

求人サイトは、民間企業が運営するweb媒体上に登録企業の求人情報を掲載し、転職希望者からの応募を集めるものです。マイナビやリクナビなどが有名です。

■メリット=サイトの集客力を活用できる
大手人材会社など、知名度のある求人サイトにはそれだけ多くの求職者が集まります。求職者の多い媒体に求人を出せば、それだけ求人を見られる可能性が高まり、採用につながりやすくなります。

■デメリット=コストパフォーマンスの見極めが難しい
民間の求人サイトには掲載料金を求人の掲載期間に応じて支払う掲載料金型と、応募時または採用が決まった時点で報酬を支払う成功報酬型があります。求人にかかる費用は媒体によって差があり、掲載料金型だと掲載期間(1~4週間)につき20万~100万円、成功報酬型だと応募1件につき8千円~1万円、または採用1件につき60万~年収の30%程度が相場になっています。どの媒体や料金体系を選ぶべきかは採用にかける期間や採用人数など個別の事情により変わってくるため、その見極めを誤ると成果に対し無駄な費用が発生してしまうという難しさがあります。

自社の採用サイトを作る

求職者の中には求人サイトを通さず、googleなどで直接求人情報を検索する人もいます。自社の採用サイトをもっていれば、こうした層からの直接応募を期待できるようになり、有料の求人サイトなどに依存せず、採用活動を行なうことができます。

■メリット=自由度が高く、コストも抑えられる
自社の採用サイトであれば、基本的に掲載する内容や文字数、掲載期間などが全て自由です。また、最近は採用サイトを簡単かつ無料で作成できるツールが数多くリリースされており、それらを使うことで費用を抑えることもできます。

■デメリット=サイト作成者の力量が問われる
自社サイトは自由度が高い分、その効果はサイトを作成する担当者の力量にかかっています。サイト作成者に知識がなく、必要な情報が足りなかったために応募を逃す可能性もあり、注意が必要です。

どの方法にもそれぞれ長所がありますが、費用はなるべくかからないに越したことはありません。まずは無料で作れる自社サイトを導入し、必要に応じて有料のサービスを追加していく方法がおすすめです。

何を書けば良いの?施工管理に刺さる求人の書き方

どの採用方法を使うにしても、競争率の高い施工管理の採用では、求職者と求人がただ出会うだけでは応募にはつながりません。数多ある求人の中から求職者の関心を引くため、求人の書き方を工夫する必要があります。それには、求人の見せ方と内容、両方にポイントがあります。

見せ方:情報の優劣をつける

求職者にとって、求人の詳細な情報は多い方が好印象です。ただし、たくさんの情報を同じ強さで羅列してしまうと、求職者から見て一見「何が言いたいのかわからない」印象になってしまい、かえって重要な情報が埋もれてしまう結果になります。

そこで、情報の中からまずは求職者に興味を持ってもらうための「売り」を選び、目立たせる必要があります。全体の文字数にもよりますが、売りの数は1~3つくらいに絞るのが望ましいでしょう。売りになる情報はキャッチコピーに入れ込むなど、できるだけ早く求職者の目に留まるようにします。

何を売りにすべきかは、企業がどのような人材を採用したいかによって変わります。例えば、若年層を採用したいのであれば、最近の傾向に鑑み、「週休二日」や「残業が少ない」など、ワークライフバランスを強調することが考えられます。経験豊富な中堅~ベテラン層を採用したいのであれば、経験や能力に見合った給与基準や昇給制度をアピールするのも一つです。

内容:書くべき、応募者が知りたい情報一覧

求職者は、未経験者であれば施工管理の一般的なイメージから、経験者つまり転職希望者であれば現在の職場への不満から、「この職場は大丈夫だろうか」という不安の目で求人を見ています。そこで、施工管理のネガティブな「あるある」から逆算し、「うちは大丈夫」とアピールできれば、求職者の安心感につながり、応募につなげることができます。

■休日・残業時間
施工管理の転職理由として多いのが、「残業が多い」「休日が少ない」など、労働時間に関するものです。「週休二日」や「残業が少ない」などのアピールポイントがある場合は、積極的に打ち出しましょう。「取引先との付き合いが長く、納期にゆとりがあるから残業が少ない」など、根拠まで具体的に書くことができれば、より好印象です。
「うちは労働時間は普通」という場合でも、休日や残業時間の情報は必ず書くようにしましょう。情報が伏せられていると求職者は不安になり、「すごくブラックな職場なのでは」と事実以上に悪い想像をして、離れていってしまいます。

■給与、昇給、各種手当
給与面は求職者の最も重要な関心事の一つです。給与が高ければ大きなアピールポイントになります。給与が特に高くない場合であっても、求職者を不安にさせないため、必ず書くようにしましょう。
手当や昇給については単に「各種手当あり」「昇給あり」と書くよりも、「扶養家族一人当たり3千円の家族手当を支給」「年2回昇給機会あり。人事考課の結果による」など、具体的に書いた方が応募につながりやすくなります。

■担当する現場数
施工管理で働く人の中には、担当案件の掛け持ちが負担で転職する方も少なくありません。求人には、年間でどれくらいの現場数を担当するのか、同時並行で現場を担当することもあるのか(その最大数も)を書くようにしましょう。求職者が助かるだけでなく、企業としてどのくらいのキャパを持つ人材を希望しているのかを伝えることにもなります

■転勤の有無
「転勤なし」の場合はもちろん、入社後のミスマッチを防ぐため、転勤がある場合もその旨を正確に書くようにしましょう。その場合、転勤の範囲や頻度などを具体的に書いた方が求職者の側で妥協点を探ることができ、ただ「転勤あり」と書く場合よりも応募の可能性が高まります。

■深夜・早朝勤務
転勤と同様、深夜・早朝勤務の有無や発生の頻度などを具体的に書くようにしましょう。

まとめ

お金も時間もかけているのに施工管理の採用が進まないのは、採用方法の選び方や求人の書き方に原因があるかもしれません。採用の手間とコストを抑えつつ、求人票を工夫することで、効率的な採用につなげましょう。

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